「はい始まりました、この番組。ここから先は、ミクとリンの『ツッコミし隊』をお送りします! 司会は、私ミクとリンです」
「ツッコミまくりますよー」
「さて、今回は『社会編☆2』ということで、前回とはまた違う、今回は経済についてツッコミたいと思います!」
「わーい、経済はー、ツッコミの宝庫ー♪」
「そんなに喜ぶのはいいんですけど、経済の意味って分かりますか?」
「・・・」
「あーあー」
「ちっ、ちがうよ。ちゃんと、分かるもん!」
「本当ですか?」
「・・・う」
言葉に詰まるリンに、ミクは呆れてため息をついてから、
「経済というのは、経世救民という四字熟語か故事成語からきてるんです」
「経世救民・・・、世を経て民を救いたり・・・って、ちがうかぁ」
「・・・」
「な、なんですか、ミク」
何やらリンを見つめるミクに、リンは気圧される。
「・・・かっこいいこと言いますね、そんなキャラなのに」
「そんなキャラだとっ!?」
「世を経て民を救いたり・・・かぁ」
何やら嬉しそうにぶつぶつ呟くミク。
「それで・・・あのー、意味合ってますか?」
おずおずと、口を出すリン。
「あ、違います。でも、さっきのはよかったですよ。それで、本当の意味は、世の中を正し国民を救済するという意味です」
「少しだけ違うんですねー、残念です」
「少しというか、半分といったところでしょうか」
「・・・おぉ」
「続いて、経済を英語でいうと?」
「・・・え、なになに、わかんないよー?!」
「Economy・・・エコノミーです。これの語源がおもしろくてですね・・・。オイコスとノミア、それぞれどういう意味だと思いますか?」
「たこと女の子の名前!」
「・・・そんなに声高らかに言わないでくれますかw」
「ちがうの?」
「オイコスは家という意味で、ノミアは管理という意味です。間違っても、たことかどこかの女の子の名前なんかじゃありませんよ、リン」
「あ、そうなんだ」
「それで二つをつなげると、家の管理、つまり家計という意味になるんですよ」
「突然ですが、経済とは何ですか、リン?」
「経済はねー、働くと稼ぐと買うってことだよ!」
「・・・結構、そういうのは分かるんですね」
「・・・なんか腹立つなー」
「もう少し詳しく言うと、人間の生活に必要な財やサービスの生産・分配。消費の過程や働きのことであって、お金が回ることによってみんなが豊かになる仕組みが経済なんです」
「へえー、でも近頃ちゃーんと、お金回ってるのかな?」
「経済の中心はお金。ではお金とは何でしょーか?」
「・・・んっと、100円玉とか1000円札とか?」
「名称はー、わかりー、ますかー?」
「ええーっと・・・、・・・分かりー、ませんよー」
「答えは硬貨と、銀行券・・・これは紙幣と一緒ですね。まあ、そういうことです」
「硬貨は聞くけど、銀行券?」
「銀行券についてはまたあとで何かしらの形で出てきますよ」
「・・・まじで?」
「それで、銀行券つまりは、日本銀行が発行しているんですね。で、硬貨は、財務省が鋳造を行っていると、そういうことです」
「へえ、財務省かぁ・・・」
「続いては、いよいよ紙幣の誕生にまつわる話です」
「わぁい☆」
「遠くの場所にいる商人たちと取引する場合・・・」
「ちょい待ち。それって、どのくらい前の時代?」
「・・・そこまではちょっと。それで、遠くの場所へ金貨や銀貨、銅貨などの銭貨を持ち運んで行って、取引するのは不便ですね」
「そうだねー」
「それで、その地域で大規模に商業をしている大商人に銭貨を払い込み、その大商人から預り証をもらって、遠方の取引先へ送ります。取引先は預り証を手に近くの大商人の支店に行って、銭貨を受け取ります。この預り証こそが、紙幣の始まりで銭貨との交換が約束された兌換(だかん)紙幣と呼ぶんです」
「へぇ、意外とおもしろいですねー」
「しかし、兌換紙幣には弱点があって、1929年に発生した世界恐慌で、金本位制度というその弱点が露呈したんです」
「なんかおもしろい展開・・・じゃないですね、さーせん」
「兌換紙幣は、いつでも金を交換できるという信頼によって成立する紙幣なので、金の保有量より多くの紙幣を発行することはできないのです」
「ありゃまー、じゃあどうなるんですか?」
「そこで、不換紙幣が生まれたんです。不換紙幣は、管理通貨制度という、金の保有量に関係無く紙幣を発行することが可能となったんです」
「よかったねー、じゃあ、今現在も?」
「そうですよ。今現在も不換紙幣です。それではもう時間なので、おしまいです。それではみなさん「ごきげんよー」・・・」
「・・・何か、怒った?」
「べーつに」
「ならいいや。それではみなさんまた来週ー! ・・・あ、次回だっけ?」
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