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彼女の前は八方塞がってない。
邪魔するものは何もない。
自由で開けてるのに、
視界を遮るものは何もないのに、
そこから一切動こうとしない。
水を体いっぱいに溜め込むので、
重りとなり足枷となる。
水をあらゆる方法で抜かなければならない。
心情を汲み取って、
寂しさを足して溢れさせて、
どうにかしてでも水位を戻さなければならない。
溢れでた涙から彼女の世界は色づき出す。
軽くなれば歩きだすものの、
また懲りずに重くなるまで、
汚水も泥水も吸い上げる。
見てるこちらが苦しくなるほどに。
本人は無自覚なのが非常に腹立たしい。
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