「私の正体は……」



久しぶりの休日……

それなのに私は機嫌が悪い……

部活も忙しいし、小さいころからの習い事であるピアノも続けている

あと、考えたくはないが、夏休みの宿題もある

最近の高校生だって、それなりに忙しいのだ


「ミクちゃん…………私ね、魔法使いなの!」

「……ふーん」


私の前で訳の分からないことを口走っているのは、普段からぼんやりとしている銀髪の少女

彼女は、同じクラスのイアという子である

授業中も空を見上げているし、休み時間も空を見上げているし、放課後も空を見上げているし……まぁ、いってみれば、彼女にはずっと空を見てぼーっとしている印象しかない


「……で?何の冗談なの?」


そして、彼女とはそんなに仲良くない

と、いうよりも今までまともに話したことすらない

それがどういうわけか、昨日の夜、私の携帯に彼女から電話がかかってきた


「明日のお昼、駅前のカフェで待ってます。来てくれますよね?」

「え?……だれ?なに?」

「それでは、待ってますから!」……ピッ


まさに一方的とはこういうことをいうのだと、気が付かされた

大体、相手の声に聞き覚えがなくて、誰からの電話だったのかもわからない

携帯にも登録されていない番号だし……間違い電話かと思った





今日になって、たまたま駅前の本屋に立ち寄った時のことだった


「あ!ミクちゃん!来てくれたんですね!」


私が立ち読みしている後ろから、私の名前を呼ぶ声

振り返ると、そこには一瞬、だれだっけ?と思う人物が立っていた

そりゃそうだろう……彼女の姿は制服姿しか見たことがないのだから、私服だと少し印象が変わる


「やっぱり、あなただったんですね」


ニコリと笑う彼女

やっぱり?…………まぁ、いい


「もしかして……昨日、電話してきたのは……えっと……あなた?」


なんとなく親しくもない相手の名前を呼ぶのは、くすぐったくてごまかした


「そうです。私ですよ、ミクちゃん」


相手は全く違和感なく、ちゃん付けしているけど……私が違和感全開なのだが……


「ささ、約束通り、あっちのカフェに行きましょう?」


そういうと、彼女は私の手をひいて半ば強引に連れ去った

そもそも、約束した覚えはないのだが……





そして、カフェについて二人分の飲み物を注文すると、彼女は真剣な目で私にこういった


「ミクちゃん…………私ね、魔法使いなの!」

「……ふーん」


一瞬、何をいうのかと緊張したが……なんだそのメルヘンな頭は?

私は馬鹿馬鹿しくなって、目の前のアイスコーヒーにガムシロップ、ミルクを入れる

黒に白が混ざって、黒が淡くなる


「……で?何の冗談なの?」


正直、もう彼女に付き合う必要はないのだが、目の前のコーヒーを飲む間くらいは、話をきいてもいいかと思っていた


「冗談じゃないです!私も魔法が使えるんです!」

「あー、うん、それはよかったね」


そもそも、なんでこの人は私にそんなことをいうのだろうか

よくアニメとかで見る魔法使いは、正体を隠すのが常識なのに……


「あ!信じてないですね!じゃ、いまからあのトラックを宙に浮かせてみせますね!」


窓の外に止まっている引っ越し屋のトラックを指さして彼女はそういった

彼女が両手を伸ばして、ぐっと力を入れるとトラックがゆっくりと、少しだけ浮いた

それは信じられない光景といったように、窓の外は大混乱していた

そして、ドシンと大きな音を立てて、トラックが地面に落ちた


「はぁ……はぁ……はぁ、ど、どうですか!これで信じてもらえたでしょう!」


彼女は額に汗を浮かべて、息も切れていた


「そうね……」


それと同時に私はコーヒーをすべて飲みきった


「じゃ、じゃぁ!私もミクちゃんと一緒に……」

「……ダメね」

「……え?」


彼女は大きな目をさらに大きくして驚いていた


「ど、どうして!」

「私までたどり着いたのは、褒めてあげるけど……その程度の力じゃ……ね」


私はお金をおいて、店を出た


「待って!!」


それを彼女も追いかけてくる

私は振り向かない


「待って!私、あなたの役にたちたくて!」


必死に私の気をひこうと後ろで叫んでいる


私は指をパチンと鳴らす

すると、彼女の視界から私の姿は消えてなくなった




彼女はこちらにきてはならない……

一度、黒く染まってしまったものは……いくら白を混ぜたところで白にはなれないのだから……

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

私の正体は……【byしるる】

こんばんわw
今日もダメダメなしるるさんですw

これ、続きそうでしょう?……続きません←

ミクちゃんが何者なのか……それは皆さんの想像にお任せしますw
ただ、普通の一般人じゃないことだけは確かですねw
そもそも、イアちゃんも普通なのかどうか、怪しいですが
ま、その辺、なんも考えてませんから←

ヒントというか、気づくポイントは
イアの「【やっぱり】、あなただったんですね」「私【も】魔法が使えるんです」あたりですかねw
ま、明確な答えはないので、感じ取ったすべてが答えだと思いますよ?w



このテキストは、新しい入居者の茶猫さんのマイページで書いていた
「私、魔法使いなの」
「へぇ」
というくだりを私もつかってみようとおもいましてwww  ただそれだけww

閲覧数:132

投稿日:2013/08/09 20:59:26

文字数:1,914文字

カテゴリ:小説

  • コメント3

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  • ゆるりー

    ゆるりー

    ご意見・ご感想

    最初、イアちゃんが中二病なのかと思ってしまいましたw←
    で、ミクさんがスルースキルと一般常識をしっかり持っている子かなー?と思っていたら…
    最後まで読んだら、「あれ?」となりましたw

    最後の二行…
    ミクさんが、知ってはいけない何かを、知ってしまったような感じでしたねw
    あと最後の文は、「アイスコーヒーの描写と対になっている感じかな?」と、何回か読み直してようやく気づきました。
    さすがしるるさん…手強いです←

    つ、続かないんですか!?
    続きそうな終わり方だったのに…
    見ている人を、うまく自分の世界に引き込みますよね、しるるさん。
    そんなところが大好きです!w

    2013/08/10 22:21:42

  • つかさ君

    つかさ君

    ご意見・ご感想

    クールミクちゃん素敵です!!!
    私「も」のところには気づきませんでした・・・w

    続き期待してますww

    2013/08/10 18:45:14

    • しるる

      しるる

      こんな感じのミクちゃんは、結構好きですw
      ミクちゃんがオールラウンダーすぎて、器用貧乏になり気味

      つ、続き……か、かかないもん

      2013/08/10 21:22:42

  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    イアちゃんかわゆす!!!

    ええっ続かないんですか!!!
    絶対続くと思ったのに……(´・ω・`)

    2013/08/10 17:50:30

    • しるる

      しるる

      イズミさんとコラボした以外では、イアちゃんを初めてつかってみましたw
      ボカロ観察の中にイアちゃんを投入したいと思い、色々試行錯誤中w

      つづきませんよw

      2013/08/10 21:21:26

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