産み落とされやがて無に還る
ただ不必要な存在
か細く呟き狭い部屋で
また消そうと笑う声がした

振り回す右手は凶器へと
自己防衛に左手を
蹲り立ち竦む足さえ
心も全て虚無に捧げた

黒い海を掻き分けて
見えた世界はもう、もう…

夢も愛も胸の鼓動通う血潮、何もかもが
消えればいいんだと
ただ怯え哭いて背き喚く僕は独りなんだと、救われないと
木も花も雲も風も時も歌う鳥も
全て愛されているのに
上下(うえした)も知らず狭い部屋で
全て消えればいいな
消えればいいな

造り上げた世界に籠って
漂い流されていく様
誰にも干渉されぬように
浮かび上がる不可侵の巣箱

壊していく度自我を忘れ
それすら構わないと言い
全ての嫌悪が蝕んでく
孕み混ざる僕の生が馳せた

注ぐ光僕を刺し
伸ばす手の先は 誰…

夢も愛も胸の鼓動通う血潮、何もかもが
消えればいいんだと
ただ怯え哭いて背き喚く僕は独りなんだと、独り

そして、腕を引かれ包む光響く鼓動
全てを受け入れるからと
「今君は少し辛いけどさいつか」
輝くように
笑えばいいな