[第14話]~閃く
 「下手人の疑いがかかっているんだから、店に出るのは危ないよ。」
と連に言われて私は、今、連の部屋で一人考えを巡らせていた。

 連の文机を勝手に借りて、唸る。

 何故か書ける達筆っぽい字で、紙にさらさらと今わかっていることを書き連ねる。

 下手人の疑いが強いのは、私と霧岐屋さん。
巡屋にしかない、簪の破片が、殺されたみくさんの部屋に落ちていたから。
そして、簪で殺されたということ。

 今の所、わかっているのはそれぐらいだろうか。

 誰かの足音が聞こえたと思って、振り返るとそこには、めい子さんがいた。
めい子さんは、盆を持っていて上には羊羹が乗っている。

 「考えているのですか。」
私の膝もとに盆を置きながら、めい子さんが問う。
 「霧岐屋さんも、巡屋さんも、初音家で誰かが姿を見たりしたのですか?」

私の問いに、めい子さんは少し迷ってから
 「噂で入ってきたもので定かではありませんが、お二人とも女中が姿を見たそうです。」

 そう言うとすぐめい子さんは立ちあがり、店表の方へ速足で行ってしまった。

 一人になった連の部屋で、顔をしかめ、腕を組み、首を傾げ、文机を睨み、唸る。

 誰かがみくさんを殺した。
あんなに優しかった、みくさんを。

 もうみくさんが殺されてから、六日が経っている。

 ふと、思いついた。

 これが本当なら、全て、つじつまがあう。

 
 本当の下手人は…。


    *    *    *    *    *    *    *    *

 次の日、連に頼んで、鏡屋の伝手を使い
巡屋さん、かいとさん、霧岐屋さん、連、めい子さん、そして私の六人が鏡屋に集まった。

 しんと静まる部屋の中で、私は喋り出す。

 「これより話すことは私の想像ですので、違うなら違うと言って貰って構いません。」

 「下手人が判ったというのですか。」
めい子さんは私に問う。
それを聞いて、集まっている全員が私の方を一斉に見る。

 私はこくり、頷いた。

 私は五人の顔を見渡して、一息つく。





 そして、霧岐屋さんの方を向いた。

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緋色花簪

番外編は、書けなかったので止めましたww

次から2話が、推理ですかね?

文章がちょっとごちゃごちゃになってるかもですが
ひらに、御容赦をww

閲覧数:118

投稿日:2012/04/14 09:14:52

文字数:901文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    わぁ!これは!あの有名な!
    「○○刑事。○五郎のおじさんが、みんなを部屋に集めてほしいっていってたよ」
    と眼鏡の少年がいうやつですね!!ww

    これはかなり気になる終わり方…

    2012/04/18 10:05:30

    • イズミ草

      イズミ草

      本音を言うと、その眼鏡の少年に来てもらって
      推理してもらいたいんですがwww(おい

      あんまし期待しないで…ww(プレッシャーw

      2012/04/18 17:55:46

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