帯人の顔が近付いて来た。
(ど…どうなんの、私!?)
心臓の音しか聞こえなくなる。
「!?」
チュ と カシャ が重なる。
カメラマンであるおじさんには見えていないし、気付かれて無いようだが…。
(な…え…は!?)
混乱に陥っている人が一名。
撮影が終わり、写真を受け取る。
「あ…有難うございます」
思い出して赤面になる。
「君達、二人ならいつでも無料にしてあげよう。と、言うより、専属モデルになってくれ」
なんて事を言い出した。
「え、そんな恐れおお」
「良いですよ」
「な…帯人!?」
帯人が有紗のセリフをかき消す。
「良いですよね…?有紗」
「…う、うん」
怖い笑みを見せられてしまっては、断れない。
(脅しって言うんだよ!それ)
と、言えずに乾いた笑いをする。
家に帰ったら、写真について二人に問われた。
帯人はさっさと部屋に戻ってしまったので、有紗に集中攻撃。
帯人とは1日話さなかったよう。(カイトによる後日談)
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