果無(はかな)い幽霊のように
幽(かそけ)く幽く生きる
人間であること以外
共通点のない他人

めぐり来たれる月日、つくねんと噛む
コンナ無為徒食ノアゲクニ何ガ咲イタ?
照明の覆いの中、死せる夏の虫の
黒点が増える

閑閑、閑文字を綴る幾日(いくにち)
「独り」から「寂しい」を引き算して

愛(いと)しまない、まない、めない
溺れたる夢は、をりをりに死んで
見給(たま)え!瀰漫(びまん)する売物の苦悩、人生への美辞を!
愛(かな)しまない、まない、めない
絶望、不幸なんてものは畢竟(ひっきょう)
人生を滅多矢鱈(めったやたら)、重んじて扱ってきたツケだ
人生を蔑視せよ

人中(ひとなか)、行き合う彼奴(きゃつ)らは
人間然とし、人間すぎて贋物のよう
苦労の末、得たものは価値あると
無意味が怖くて苦痛を価値化する 


すずろに眺める生は、やれさて、
ゆっくりとした自殺のようだ
ベランダを死処に選んだ蝉が
無常哉、カナカナと鳴いた

物憂さとたゆけさの中

愛(いと)しまない、まない、めない
朝明けの臥床(がしょう)、かくも脳、濁って
一杯のコカコオラで嚥下(えんか)した錠剤が溶けていく
愛(かな)しまない、まない、めない
強くなろうとすればするほどに
憎んでいた敵に自分が段々似ていくと感じた
真剣に堕落せよ

世界に向けて立てるべき指は
人差し指か中指か
この指とまれ――仲間を待つ者
この世界を侮蔑する者

愛(いと)しまない、まない、めない
何を生んで、破壊し、得て、失った?
曰く「不可解」、この世界
毫もかわらないこの希死念慮
愛(かな)しまない、まない、めない
自分は在るべきか在らざるべきか
とまれかくまれ、この世界に悪口を言い続けるため
生を罵るため、生きなきゃだめなようだ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

さてもかなしい憂鬱と

歌詞

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投稿日:2020/10/08 20:01:44

文字数:753文字

カテゴリ:歌詞

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