貴方の存在こそが、絶対の聖域―――


低く掠れる声でわたしの名を呼んで、荊の森で眠るわたしを起こして。

踏み込んで。世界で貴方だけに許された、その境界線の此方(こちら)側へと。


欲しいモノがあるのなら、なんでも捧げるわ。

望むコトがあるのなら、なんでも叶えるわ。


貴方の存在こそが、わたしにとっての神―――


どんな人混みの中でも、貴方の姿だけは見逃したりはしない。

わたしのために発せられたコトバのひとつひとつが、まるで宝石。

その視界の片隅に映れるなんて、貴方の姿を見れるなんて、

これ以上の幸せなど、あるの?


貴方がわたしを疎ましく思うのなら、喜んで消えて見せるわ。

わたしが貴方を飽く時が来ようとも、それは変わりない事よ。


貴方の存在こそが、愚かな娘の全て―――


貴方へ向ける感情。愛情、崇拝、嫌悪、怨念…なんだっていいわ。

神々しく思えるほどに、強く思っているという事実は揺らがない。


貴方の存在こそが、絶対の聖域―――

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絶対なる神域

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投稿日:2010/05/29 11:08:29

文字数:436文字

カテゴリ:小説

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