レインは学校に着いて来ることになった。というより憑いて来ることになった。ちなみにうちの校則には触れない。不要物の持ち込みは禁止されていないからだ。厳密に言えばされているのだが、生徒会長と校長の議論の末、音楽プレーヤー、また、ヘッドホン等は持ち込み可能になったのだ。
「ただし、レインにも約束をしてもらう。」
「マスターの言うことは絶対です!」
「学校で姿を現すな、歌うな、授業中は静かにしてろ・・・。」
俺はとにかく思いつく危ない行為を全て言って、外に出た。ちなみに俺は学区外から通っているので、当然登校相手はいない。俺はその間だけレインが姿を現すのを許した。
「そういや、レインってどうやって作られたんだ?」
「知りたいの?プログラミング言語の羅列になるけどいい?」
「そりゃ勘弁してくれ。・・・ってそうじゃない!」
レインは首をかしげて俺を覗く。
「そうじゃなくて、感情のプログラムなんてどうやってつくられたんだ?」
「知らない。だって記憶は全部消されてるもの。」
そういえばそうだったけ?と、俺は思い出してみる。そりゃそうだよな。感情ってのは多分記憶から推測して出来る行動だからな。って、勝手に思う。て言うことは、レインにはレインになる前があって、そこからこういう性格になったわけか。どうやら感情以外の記憶を消しているらしい。
「そっか。ならいいんだけどさ。」
「ね、学区に入るまで歌ってもいい?」
「いいけど、この前の歌しかもって無いだろ?」
「いや、私がマスターのプレイヤーから勝手に曲もらってきた。」
・・・そういうことか。俺は昨日妙にパソコンの音がするなと思っていたら、いろいろ俺のパソコンを探っていたということか。
俺はともあれ、レインの歌を今度はちゃんと聞いてやった。よくよく考えたら立体映像なのであまり不自然さはない。まあ、ちょっとデフォルメな感じの映像だけど、まぁ、ただ音量を大きくして流しているよりはマシだ。
「どうでしたかマスター。」
「いいと思うよ。だけどさ、もうちょっと音程高めにした方がリアルなんじゃない?」
俺はレインのために本気で曲を考え始めることにした。
「ねぇ、マスター。ここどこ?」
俺はレインにそう言われて周りを見回す。やっべぇ、道一つ・・・いや、三つ間違えた!!
「早く言ってくれよ。」
「だって歌ってたんだもん。」
レインは頬を膨らませてそっぽを向く。俺はそんなレインを見ながらも来た道を引き返し、正しい道へと戻る。
「やっべぇ。」
「うん、登校時間まであと10分だね。」
「ギリギリ間に合うかな?」
「走った方がいいよ。」
その言葉を聞く前にはすでに走っていた。俺は「そろそろ学区内だ。」と、警告をしてレインが消えたのを確認して全速力で走る。と、まあ。全速力で走ることは無かったようだ。
「もう学校に着いちゃったよ。」
余裕は2分あった。まあ、一番学校との距離が狭いところから入ったしな。
とにもかくにも、俺は新しい気分で中学校生活を始めるのだった。
「おはよう!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ボーカロイドXX

ええと、零音リフレインの通称はレインということになります。
まあ、もともとレイン(仮)でしたから・・・。

僕の作品を読んでくれてる人!
一言でいいからメッセージを・・・・。

すいません。ケータイ登録してないとメッセージ送れないみたいで・・・。
メッセージをくれた方の投稿作品はいつもチェックしています。
なので、この場を借りて返事をしたいと思います。

読んでくれてありがとうございます。

閲覧数:114

投稿日:2009/07/23 21:19:07

文字数:1,258文字

カテゴリ:小説

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  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    こんにちは
    はじめまして
    最近登録した主に小説をアップするヘルフィヨトルというものです。
    楽しく読ませていただきました。
    結構よかったと思います。
    これといって意見することもない気がします。
    続き、楽しみにしています。

    参考になるかどうかは分かりませんが、私も小説をアップしましたので、読んでくれるとうれしいです。

    2009/07/23 20:38:15

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