すきっ腹抱えて 谷間に広野に作付けても
明日には蝗(いなご)に喰われる運命さ
乾いた大地は蟷螂(とうろう)の鎌には堅すぎて
粉箱引っ掻いたってパンなんかできやしない!

間抜けな熊さんずるがしこい狐
理想の国もまるでソドムだね
極光(アヴローラ)が燃えている、呼ばれてる 戦いへ
同志、いざ行かん 最後に残された我らの良土守るため

ふつふつ煮えたぎるの、大なべの中の血液(クラレット)
気を抜けばもうすぐに吹きこぼれそうだぜ?
ちょっぴりしょっぱいね、悔恨入りのホットワイン
交わして贐(はなむけ)代わりに、ぐっと飲み干したら、「行ってきます」

さぁさぁ、ご覧あれ この歌劇
ぬるめの上流(セレブ)にはちょいと過激さ
道化を蹴散らし、ドンと鳴らせば、冬空に満開大輪の菊さ!
爛々、役者は飛び入り歓迎
玉石混交(ぎょくせきこんこう)よい子はおいで
阿呆みたいに指くわえてるだけなら、一緒に夢見て踊りましょう


麦粒と国家に 人が喰われるパラドクス
枝ごと切られて実りは盗まれて
獣のおこぼれ口開けて待ってるだけじゃ
“諸国民の春”など永遠に来るもんか!

赤十字翻し 重病人の荒療治
高きを睨んだ薬草は辛苦く
味方は百万 インターナショナルさ
西から東から、エデンを追われた羊たちが来るよ

ぐらぐら揺らいでるよ、家ごと転覆寸前
傷からしたたるこれを何と呼べばいいの?
とびきりスパイシー、憤怒のボージョレ召し上がれ
露に消えなば毒杯で いっそ道連れに「行きましょう」

さぁさぁ、お立合い ショータイム
酔って裸もノープロブレムさ
菊が燃え落ちる星屑の花束、死に行く国家に手向けようか
燦々、氷河期は休む間もなし
秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)世間は厳し
阿呆のワインで田畑(でんぱた)満たせば、来年の出来も良くなるかなあ


飢凍(きとう)の大地は故郷に非(あら)ず 心もとっくにひび割れた
喉は乾いても涙は流れるよ
きらきら着飾った空っぽの杯よりも
それを満たす一杯の水が欲しいだけ!

激震 エデンの空を撃て 鉄(くろがね)の咆哮(こえ)は傾国の
涙呑み雪狼(ゆきいぬ)は神獣と成る
堕落の桃源郷も今に 徒花(あだはな)の氷結地獄(コキュートス)に変わらん!


さぁさぁ、おいでよ 今に開演
夜明けを見るまで無礼の狂宴さ
またも酔いどれの戯言と我らをなんとも言わば言え
四海兄弟(しかいけいてい)あんたもお仲間
踊る阿呆に踊らされる阿呆、同じ阿呆なら夢見にゃ損損

やぁやぁ、お揃いで 全員集合
揃いの錦切(きんぎ)れ烏合の舞踏だ
禽獣(きんじゅう)に握らる聖杯を満たせ我らの怒りの葡萄酒
百鬼夜行だ悪い子いねが
般若の涙を仮面で隠し さあ今国家を敵討ち

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

激震のラクリマ -血塗られる聖杯-

――――さぁさぁ皆さんご覧あれ!お暇なら一緒に踊りましょう。

前作「Hello, world」http://piapro.jp/t/CDHuにつながる物語の第二作目です。ごきげんな革命の歌、という感覚で書きました。

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投稿日:2013/11/19 21:47:05

文字数:1,134文字

カテゴリ:歌詞

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