※※百合注意※※
ルカリン。
ハッピーバースデー、リン。というわけでリン誕生日ネタでルカリンです。
誕生日のお祝いを、とリンの部屋に向かった。
そこにはさぞ浮かれた彼女がいると思ったのに、予想に反し彼女は不機嫌そうだった。
++++ 貴女だけ ++++
「リン、誕生日おめでとう」
「あ、ルカちゃん。ありがとう」
私の台詞に笑顔で返してくれてはいるが、やはりどこか拗ねた様子が見受けられた。
「リン? どうかしたの? なんか機嫌がよくないみたいだけど」
「そういうわけじゃないんだけどー」
ベッドにうつ伏せに寝そべったままの彼女の傍らに腰かけ、その頭をなでてやる。
「誕生日、祝ってもらえるのは嬉しいんだけどー、何でもレンと半分なのがなんだかなぁって」
なるほど、これが拗ねてる訳なのね。理由は分かったが、拗ねてる彼女もそれはそれで可愛いので、今しばらくフォローはせずに彼女を見守ることにする。
「ケーキも半分。プレゼントも半分」
プレゼントも? ケーキが半分というのは理解できるが、プレゼントが半分というのはどういう状況なのかしら。
「プレゼントも半分って、マスターから何を貰ったの?」
「レンとのデュエット曲」
はあ。思わず漏れるため息が二人、重る。
マスターが甲斐性なしなのは知っていたけれど、ここまでとは。今度、ひとこと言ってやらないと。
そう胸のうちで考えていると、のろのろと起き上がったリンが私の隣に座った。そして甘えるように寄りかかってくる。
「何でも半分だと、お前達は半人前だって言われてるみたいでさ。なんか考えちゃうよ」
拗ねてる彼女も可愛いし、甘えてくれるのも嬉しいけれど、そろそろフォローをしてあげないと。私だってリンを悲しませたい訳じゃない。それに、こんな暗い表情は彼女には似合わないから。
上体をひねって、隣のリンへ顔を向ける。それに気づいたリンが顔を上げたところで、そのまま顔を近づけて口づけた。
「誕生日おめでとう、リン」
「とととっ、突然何?」
「今のが私からの誕生日プレゼントなんだけど。もちろん、リンにだけのね」
真っ赤な顔で呆然とこちらを見つめるリンに満面の笑みを。するとリンはその赤い顔を隠すように顔を伏せてしまった。そんな様子すら可愛いと見つめていると、小さな声が聞こえた。
「ホントに? ホントにホントにあたしだけ?」
「ええ、私の一番はリンだけだもの」
「……っと」
「え?」
「もっと!」
真っ赤な顔を上げ、真っ直ぐな視線でおねだりをするリンが可愛くて何でも叶えてあげたくなる。もちろん、そんな様子はおくびにも出さないつもりだけど。
「仰せのままに、姫」
そっと彼女の手を取り、その甲へ唇を落とした。
私の全てで貴女に貴女だけの祝福を。さて、何からしましょうか、姫。
END
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