「きゃあっ!」
躓く、長い髪の女の子。初音ミク。
「はぁ…はぁ…」
かれこれ二時間走り回っている。
「いや…死にたくない」
ちょうど二時間前、鏡音レンの台詞を聞き、逃げている。
ミクは、出口を探している。
「大丈夫…」
言ってきかせる。
「ここなら…」
誰にも見つからないよね。
廃墟の中の一室。
死角。
「レン…くん…」
何で?
あんなに仲良かったじゃない。
寒い。風が入ってくる。「…風?」
あれだけ走って、出口どころか窓ひとつ無かったのに。
その場で立ち、ミクは周りを見渡す。
斜め上。
「窓…!」
今にもガラスが割れてしまいそうな、窓。
ミクは、手を伸ばす。
「くぅ…」
あと少しのところで届かない。
ダメだ…。
ミクは諦めかける。
「誰か…」 助けて。
「ミク!!!!」
突如現れた青いひと。
「お…兄さん?」
誘拐事件の時
助けてくれた
「ミク!!! 大丈夫か?」
「KAITO兄さん…!」
ここから
全てが狂いはじめる。
case10 終わり
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