お忍びの城下　大道芸
兄様と見たあやつり人形
鮮やかな夢を　浮かべては
人形の真似をした幼き日々

無垢な時間は　過ぎ去りゆき
兄王は私に告げました
敵国を籠絡せよと命じられて
嫁ぐ姫君

見えない糸が引く　傀儡の手足踊れ
うつろなマリオネット　偽りの愛
まばたき一つさえ　仕組まれた演目の
筋書き通りに舞う　人形の仕草

澄んだ瞳そらさないまま
抱きしめるように花嫁迎え
無防備な寝顔　隠さずに
呆れるくらい人を信じる人

覗き込めば　苦しくなる
あなたは美しい　そう　心が
騙されて私を妃にして
死んでしまうの？

夢から醒める夢　明けない夜の虜囚
凍えたマリオネット　手足がきしむ
暗くて忌まわしい　影映る鏡の間
華やぐ舞踏会に　人形の涙

宮廷詩人謳う　古から続く遺恨
奪い奪われ根付いた　呪いの花が咲く

憎しみ合う国に生まれ
いつの日か仇を討ってくれと
背徳と裏切りを天秤に
ほほえむ悪魔

心が叫んでも　糸にあやつられる
かなしきマリオネット　踊り続ける
狂おしい宿命抱く　悪魔の人形劇
壊れてしまえばいい　バラバラに落ちて

悲哀の終幕を