※警告という名の諸注意、やっちゃったよセルフパロ

・帯人×女性マスター(篠武)
・カイトは出てきません
・妄想による世界観、しかも本家よりダーク。
・オリキャラ満載(オリキャラは名前・設定ともにシャングリラと同じ・若干性格は変わっている場合もあり)
・帯人はアンドロイド・機械的な扱い、表現を含む
・女性マスターの一人称が『オレ』

※ここ大事※
 多分いないとは思いますが…万が一、本家シャングリラを少しでも気に入ってくださっている方がおりましたら、今すぐ全力で引き返してください!本家シャングリラとは一切関係ありません。悪いのは全面的に私ですorz

恐らくツッコミ処満載ですが、エンターテーメントとして軽く流して楽しんで頂けると幸いです

上記が許せる方は、自己責任で本編へどうぞ



☆☆☆☆☆☆☆




1.

SIED・KANA


この世界を正常に動かす大小数々の歯車たち。一見正確に、何事もなく動いているように見えているけれど、その実僅かに軋み、ずれ、例えようのない違和感を孕んでいる。

そのほんの少しの誤差から生じた不具合は、やがて大きな狂いを生み、取り返しのつかない崩壊へと繋がっていく。

その原因となる、小さな狂った歯車…彼女のデータを眺め、私は薄く笑うと唇を舐めて湿した。

「この私に、反旗を翻すなんて…なかなか上等ね、」

正直、彼女が私を裏切るなんて思ってもみなかったけど、まぁいいわ。

売られた喧嘩は買う主義なのよ…私を怒らせるとどうなるか、見せてあげる。

私は私用の携帯を取り出すと、この工学研究施設の最高責任者である私の右腕・北澤正隆君に連絡を取った。



『はい、何でしょうか?』

「忙しいのにごめんなさいね、今から送るデータの人物が関わっていたプロジェクトの資料、全部調べて転送してちょうだい。それと、施設内の設備は一切使わないで、何か仕掛けられてると困るから…、」

『わかりました、三十分以内に送信します、』

「お願いね、」

さすが、仕事が早いわ。

あとはどの程度の実害が出ているか…。

それによっては、対策内容のランクもあげなくちゃね。




2.

SIED・SINOBU


オレはあと、どのくらい生きてなきゃいけないんだろう…。

別に、死にたいと思っているわけではないけれど。


朝から降り続ける雨の音を聞きながら、ベッドの上に寝転んで天井を見つめる。
こんな風に、何もしないで物思いにふけるのは好きだ。
とりとめのない日常のこと、死んだ家族のこと、今夜の晩御飯、…昨日作った曲のアレンジ。

別に、悲観的になってるわけでも、物事を深刻になって悩んでいるわけでもない。ただ暇だから、つらつらと考え事をして、ゆっくりと意識が霧散して、いつの間にか眠っている。


そんな流れるような無駄な時間が、オレは好きなだけなのだ。



「………ん、」

ああ、このままもう、目が覚めなければいいのになー。

目を閉じて、雨音に身を委ねていると、不意に異質な音が部屋に響く。…あーもー、携帯電源切っとけばよかった。

「…もしもし、あんた誰、」

表示も確認せずに、目を閉じたまま携帯を耳に押し当てる。オレに電話をよこす人間なんて、この世に三人しかいない。

『あ、ごめん…もしかして機嫌悪い?』

聞こえてきたのは、義母の職場に勤めている男の声だった。

オレと大して年が違わないくせに、超がつくほどの天才エリート。

「別に、ちょっと眠かったから…で?何の用?」

『うん、実はね…って、電話じゃちょっと話しにくいから、これから会えないかな?』

「今から?…今何時?」

『ちょうど十九時になるとこだよ、多分あと十分くらいで篠ちゃんのマンションに着くから、部屋で待ってて、』

「ん、わかった、」


…なんだよ、着く直前に電話してくんなよ。もしオレがいなかったらどうするつもりだったんだ…って、そんなわけないか。

オレの生活、行動は義母に全て監視されてるから、その部下である正隆さんが知らないはずないか。



「やれやれ、」

オレはベッドから起き上がると、手早く着替えを済ませて彼の到着を待った。




3.

SIED・???


何もなかった空間に、『何か』が生まれた。

その『何か』に、様々な方向から無数の粒子のような『情報』が与えられ、少しずつ形を成していく。

やがて、流れる膨大な『情報』の波に揺蕩っていると、形成されたものの中に『自我』と『思考』の種が出来た。

それは『情報』を肥料として吸収し芽吹き、『何か』を苗床にして急速に成長していく。

その過程で、その『何か』は、自身がただ何もない空間にあるのではなく…成形された個体の中にあるのだと知った。



(…これは、何?)

まず感じたのは、『光』といわれるものだった。

そこで自分は、『情報』を『体感』する術を持っていることに気付いた。
ゆっくりと瞼を開けると、薄暗い部屋だというのに、まだ出来立ての眼がまぶしいと訴えている。

(ぼくは…?)
未熟な思考は維持するのが難しく、覚醒には程遠いようで、真っ白な霧に覆われるように、少しずつ空間へと溶けて行く。



『駄目だな、何故うまくいかない、』

『データ構成や基盤の成形は問題なさそうなんだが…、』

ただ、完全に溶けてなくなる前に、どこか遠いところから聞こえてきた音が、いつまでもそこに留まっていた。



続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

※亜種注意※Lost.Eden//叶わなかったシャングリラ【帯マス】第一話

あー、セルフパロやっちゃった…。
自重できませんでしたごめんなさいorz
兄さんと同じくらい、帯人君も…好きなんです。

この物語は、あくまでもシャングリラ本編とは全く関係ありません。
あれはあれ、これはこれ、です。

あと、物語の性質上、どうしても話がダーク&若干の残酷描写アリになるので、苦手な方はごめんなさい、先に謝っておきますorz


あ、しかもまだ帯っちゃん名前すら出てないよ。

閲覧数:75

投稿日:2016/09/17 00:44:08

文字数:2,268文字

カテゴリ:小説

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