水辺で出会いしは金毛(きんげ)の女子(おなご)
異人かと想いて声かけ
その女子は私に告げる
「永久に生きる身に潤いを...」
幼子のお遊びが伝いて遊んでるかと思うたが
いきなり女子は心臓(しん)を一突き
慌てて駆け寄り息確かめると
しっかりと呼吸(いき)を吐いていた
不死者の女子は気をしっかりと
「不思議な体でしょう?」と
そんな事を呟いて
悲しげに微笑んだ
女子の悲しみを
少しでも解してやりたいと
私は女子の傍で
見守り暮らすことを決めた
不死以外は普通の女子
そんな〈気になる娘〉(おなご)との生活は
静かながらも心地よい毎日で
そんな毎日を過ごす間で自分の心も移り行き
〈好きになった娘〉(おなご)も気持ちが同じくなって
婚礼の儀なんていらないくらいに
愛して、愛して
永久に生きる彼女の事を考えずに
〈愛してやまない女房〉(おなご)は何時までも老いずに生きる
自分は朽ちて、朽ち果てていく
最後に残す〈最愛の妻〉(きみ)への言葉は
「私を忘れてまた生きてくれ」
不死者に生きろと皮肉な言葉
それの重みもいざ知らず
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