＜雪に埋もれる＞


花びらはらり　坂の上
上か下かも　夢のうち
ふらり揺らめく　両足が
ここに立つなど　認めない

言の葉は　不誠実だと　知っている
私なら　そう答えるか　その矛盾
手のひらで　遊ぶ言の葉　翻し
地に落ちた　砕けた破片　見つめてる

花びらはらり　雪の雲
空か地面か　わからずに
私は浮かぶ　意識さえ
くるりとまわり　目を回す

手放した　心の意味も　見返さず
いまここと　信じた意味も　もう知らぬ
吹雪く雪　渦を巻き巻き　空を埋め
愚かなる　人を見下ろし　去ってゆく

何歌おうか　歌うなら
全てを揺すり　がらがらり
崩れればいい　そうすれば
何もかもみな　雪になる

白雪のひら　ひらりひら
染め上げ銀の　無機の町
ふらり揺らめく　初雪の
世界の淵で　目を閉じる


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はなびらはらり　さかのうえ
うえかしたかも　ゆめのうち
ふらりゆらめく　りょうあしが
ここにたつなど　みとめない

ことのはは　ふせいじつだと　しっている
わたしなら　そうこたえるか　そのむじゅん
てのひらで　あそぶことのは　ひるがえし
ちにおちた　くだけたはへん　みつめてる

はなびらはらり　ゆきのくも
そらかじめんか　わからずに
わたしはうかぶ　いしきさえ
くるりとまわり　めをまわす

てばなした　こころのいみも　みかえさず
いまここと　しんじたいみも　もうしらぬ
ふぐくゆき　うずをまきまき　そらをうめ
おろかなる　ひとをみおろし　さってゆく

なにうたおうか　うたうなら
すべてをゆすり　がらがらり
くずれればいい　そうすれば
なにもかもみな　ゆきになる

しらゆきのひら　ひらりひら
そめあげぎんの　むきのまち
ふらりゆらめく　はつゆきの
せかいのふちで　めをとじる