今時流れる
うっとおしいほどの
ありきたりな恋愛の歌のように
嘘偽りのように
歌を歌おう

あなたの姿に
あなたの才に
あなたの心に
いつしか僕は
ふと恋してた

あなたの涙に
あなたの傷に
あなたの痛みに
いつしか勝手に
目を閉じていた

どうかどうかこんな僕を
許さないでください



嫌悪走る人の
過剰なほどの愛に
この腕は耐えられなくなったようで
震え踊る手で
あなたと同じ道を
この腕は選ぼうとしていました

今更流れる
うらやましいほどの
ありふれている愛情の重さの海に
耐えきれず溺れた

引き上げるその手に気づかずに
あなたのあと追い求めてた

あなたは今、どこにいますか?
あなたは今、笑えてますか?
あなたは今、幸せですか?
それだけが僕は
ただ気がかりで

あなたの影、今も探して
あなたの死を、認めたくないと
あなたはまだ、目を覚ますんだと
いつしか僕は
ただ縋ってた

どうかどうかこんな僕を
笑ってください

どうかこんな弱い僕を
許してください

あなたと今、同じように
あなたが昔、そうしたように
この僕もそう、2本の腕を
切り落とそうとしました
ふとそう思っただけですが

こんな弱い僕をあなたの
代わりに生きる事をどうか
許してください

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

お前のための腕ではない

あなたの部屋は、いつあなたが戻ってきてもいいように、片付けてあります。少し汚いかもしれませんが、その時はまあ、また叱ってください。あの時のように。

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投稿日:2020/12/20 09:29:11

文字数:537文字

カテゴリ:その他

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