言葉を辿り この身を焦がす
鳴けぬ螢に 成り果て祈る
泣き叫ぶ蝉 声を亡くして
その想いすら 空が呑み込む…
主の為と 狭い箱庭
その片隅で 拙くウタう
あのかんばせが ほころぶ様を
見たいと願い 声を張り上げ
ひらり舞うよな その指先で
奏で紡がれ 今艶やかに
言葉を辿り この身を焦がす
鳴けぬ螢と 成り果てる前
迫り来る闇 振り切れぬなら
せめて最後に ただ一声を…
主の為と 狭い箱庭
その片隅で 一人でウタう
あの双眸が ただもう一度
開くと信じ 声を張り上げ
ひやり凍みゆく その指先は
ただ一片も 音生さぬまま
言葉を辿り この身を焦がす
鳴けぬ螢と 成り果て願う
閉じられる蓋 止められぬなら
せめて最後に 「どうか …!」
ただの骸へ うつろう言葉
音楽などと 語れぬ欠片
叫ぶ声さえ かれ果て祈る
鳴かぬこの身を 貴方の許へ…
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