ちょっとだけ、未来のお話。
高校生くらいの設定です


---背比べ

「・・・伸びてなーい!」

昔から使っている誕生日の朝に身長を測る柱。
16歳になったから少し伸びたと思ったのに全然伸びちゃいない

「朝から何騒いでるんだよ」

欠伸をしながら2階から降りてきたのは双子の弟。レン

「あ、レン!聞いてよ!16歳になったのに全然身長伸びてなーい!」
「・・・ご愁傷様」
「コラー!何か言葉ちょうだいよ!」
「うん、がんばれ」
「ちょっ!」

手を伸ばしてみたけど届かない

「・・・・届かない」

そう、あたしはほとんど変わらないのにレンはずいぶん背が伸びた。

「去年はまだ同じくらいだったのに」
「あーそうだっけ…」
「何でそんなに伸びてんのよ」
「成長期ですから」

にこーっと笑って余裕ぶっちゃって。

「なっとくいかなーい!!」
「いや。リンがわめいても仕方ないから」

ぽすぽすと頭を撫でられた

「なによ、余裕ぶっちゃって」
「いや、いつもどおりなんですけど」
「昔はもっと可愛かったのに」
「昔って…」
「2年前」
「そりゃ、あの年齢で大人びててもなぁ…」

クスクス、と笑いながらレンが言った。

「なんか、知らないひとになったみたい」
「へ?」
「髪とか」

少し前までは上で結んでた
陽だまりの色の髪。あたしとおんなじ色
恥ずかしくなったのか少し前から下で結び始めてる

「ピアスとか」

くりくり、と昨日あけたばっかりのレンのピアスを触ってみる

「リンだっていっしょにやったじゃん」
「あたしはいいの」
「オレは駄目なの?」

ちょっと低くなった声

「ダメです」
「むちゃくちゃだ…」
「知らないひとになったみたい。大事なことだから2回いいました」
「らしくないじゃん」
「う。だって、なんか、離れていっちゃいそうなんだもん」

小さい頃からずっと一緒だったのに
ちょっと見た目が変わっただけなのに
そう思った

「馬鹿だなぁ」
「なによぉ」
「オレはオレだよ?」
「・・・」
「ほんと、馬鹿だなぁ」
「またいった!」
「大事なことだから2回いいました」
「どういう意味よー!」

拳を振り上げたらその手を取られてしまったり

「見た目が変わっただけ。オレがリンから離れるわけないじゃん?ってこと」
「・・あ」
「そういう意味でオレはオレ。そしてそれに気づかないリンは馬鹿って、ね」
「も、もう一回言ったら許さないから!」
「はいはい、ゴメンなさーい」

そう言って笑ってくれて、気付く
笑顔は変わってないや
不覚にもちょっとカッコいいじゃん?
とか思ってしまった

「早くこないと朝食抜きになるハメになるよ」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよー!!」

うん、そっか、どんなに見た目が変わってもレンはレンなんだ
あたしの、片割れ、なんだよね





ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

かわったことと、かわらないこと

ちょっとした未来妄想。
未来パロ+現代パロが苦手な方はご注意。
レンリンなのかリン⇒レンなのか…
どっちも私はアリだと思いますが!

閲覧数:357

投稿日:2011/12/15 01:44:58

文字数:1,192文字

カテゴリ:小説

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