これは、ひなたさんの作品ナゾトキ・ナゾカケの勝手な解釈(妄想?w)です。
本家様にご迷惑をかけない様にお願いします。
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「ただいま……」
少女は言う。返答は無いが、構わない。それが日常。家には少女しか住んでいない。
重かった荷物を床に投げ捨てると、手も洗わずにテレビをつける。案の定、あれはニュースになっていた。
『――三日間に渡る孤島ツアーで、【誰もいなくなった】のような残酷な事件が起きました』
チャンネルを変え続けて、やっと初めから説明しだしているニュースとで出あった。リモコンを床に置き、電気をつける。いい具合にCMが入ったので、手を洗ってうがいも済ませた。
『一週間前、開催された孤島ツアーに行った六人。その方たちは全員面識が無かったのですがその中の“二人を除き、管理人を合わせた全員が死んでしまう”という事件が起きました』
「……っ」
少女は、舌打ちする。
ニュースキャスターは、無感動の顔で言った。
『その六人の中に芸能界で有名な、カイトとメイコが居たのも、間違いないという事です』
後ろには、でかでかと“カイト・メイコ、ツアー中に死亡”と掲げられている。少女は、苛立ったように唇を噛んだ。
――死んだのは、彼と彼女だけではないのに。
『他に死亡したのは……ミクさん十六歳』
少女は目を見開く。しかし、次の言葉でうなだれた。
『外国から長期滞在してらっしゃった、ルカさん二十歳』
――生きてる訳、無いか。
自らの右手を見て、またうなだれる。少しだけ、期待していた。実は生きてるんじゃないかって。でもそれは、ただの偽りだ。生きているはずが無い。
『生きていたのは、リンさん十四歳、レンさん十四歳だけです』
リン。自らの名前が呼ばれ、新鮮に思う少女。リンという少女は、すぐ罪悪感にまみれた。
彼女が死んでしまったのに、自分だけ生きている。
『レンさんは、片腕を失った状態で』
体が震える。
『リンさんは、無傷でした』
――私が犯人と言っている様なものじゃないか!
ニュースの言い方にムッとくるリン。しかし、すぐ解消された。
『事件は、彼らでは出来ないだろうと推定されています。
第一の被害者はカイトで、一日目に自室でワインを飲んで居たところ、ワインに毒が混ざっていて死んだようです。抵抗した跡も無いので、自殺と断定できるそうです』
あそこは海に囲まれていますから、毒なんて捨ててしまえばいいのですから。ニュースキャスターは言う。彼らの見解だと、自殺しようとしたカイトはワインに毒を入れると、使い切った容器を海に捨てたらしい。海にはそれらしい容器があったが、指紋は流されて不明だったらしい。
「馬鹿馬鹿しい……っ!!」
リンは言った。しかし、ニュースキャスターは顔色一つ変えずに言う。
『第二の事件ですが、これでほぼ全員が死亡してしまいます。海に二人を除く、全員が落ちたらしいのです』
――これは事故かもしれない? だから、犯人等いないのかもしれない? 何を馬鹿なことを。
リンはテレビを切ろうとして、やめた。ニュースキャスターが一言だけ言った。
『捜査は、まだ続くようです。レンさんの、片腕は一の事件と二の事件の間にあったようで……』
ぶちん。
テレビを切った。
もう関係無い。
リンは、机に用意していた鞄を持つ。そして、靴を履いて出て行ってしまった。行き先は、警察。どうせ、事情聴取が続くのだ。怖がるフリをして、出向いてやろう。そう思うと、武者震いさえした。
*
「ただいま……」
少女は言う。返答は無いが、構わない。それが日常。家には少女しか住んでいない。
……はずだった。
「おかえり、警察まで出向いてきたの?」
「え」
誰? 誰か居るの?
一瞬にして恐怖が襲ってきた。警察まで出向いて、帰ってくるまでに五時間。その間に、どこかから侵入されたらしい。鍵は開いた。無理やり開けられたのならば鍵は壊れているはずだ。窓か。窓だろうか。しかし、ここは三階だ。一体、どこから。もしかして、幽霊だろうか。馬鹿な。そんなはずは……。
「僕だよ」
固まるリンの目の前に、少年が出てきた。
金髪をまとめた、優しそうな少年。
リンは、息を呑む。
「あんたっ、どこから……!?」
「正面からだよ?」
彼の手で、スペアキーが回る。
――スペア、キー?
「それ、私が昨日なくした……」
「僕の鞄に入ってたよ、お誘いかと思ったんだけど」少年は笑う。「謎解きパーティーの」
「……何言ってるの、貴方……」
「簡単。犯人を見つけようといってるんだよ」
続く
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