深い 霧の中
震え 佇んだ
音も 影も 無くて
膝を 抱える
堕ちてゆく 孤独がまた 空を遠ざける
繭の中 傷つかぬようにただ 羽を探す
痛いほど 噛みしめて 滲む朱と
突き刺さる 静寂の中 瞼を閉じた
声は 届かない
きっと 知っていた
風を 願う夜も
すでに 幻
いつか見た 美しい世界 信じて
綻びた 自分の殻の中 肩を抱いた
力なく 伸ばす手に 僅か 触れて
針の音に 夢見たような彼方 重ねて
さよならと 呟いた 声は 溶けゆく
指先で なぞる琥珀の粒 歪な羽
罅割れた 暗闇の中 そして
柔らかな 光の雨に打たれ 揺蕩う
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想