a
震える指で君に触れた
甘い孤独が染み込むように
灰色に広がる世界の滸(ほとり)で
形もなく生まれて失われる
その実りたちに 強がりに
囚われて踊るよ
b
僕等はみんな等しく 誰かを待っているんだ
過去よりもずっと前に 未来を想う先に
c
物語の中で 僕はただ勇敢な
嗚呼 戦士であれと夢をみていた
痛みを忘れることなんて
怖くて出来やしないはずだよ
誰かを憎むほど命は アンビバージュになる
成し遂げたことは 生きることくらい
こんな僕を許しはしないで
ほとほどの身勝手さが眩しくて
目を細めた
a
奏でる音が僕に触れた
弱い動きでこちらを見た
虹色に蠢く世界を恐れて
街に残る余白をそっと埋めた
ただ縋りたくて モノクロは
モノクロでいいのに
b
僕等がつけた名前に いくつ命は宿るの
殺して育てて捨てて 朝日の色に変わる
c
物語はいつも終わりまで見えなくて
嗚呼 鏡の中へ崩れて消える
音色を忘れることなんて
辛くて出来やしないはずだよ
誰もが優しさを知るたび アンビバージュになる
褒められたことは 黙ることくらい
窓をひらく覚悟も出来ずに
造られた「人並み」に追いつけず
足を止めた
d
…幼い君が震えるその手で
鍵(けん)に触れ きらめいたとき
この世で一番強いものが
何かを気付かせてくれた
さあその恐れ慄(おのの)く眼で
弾いてごらんよ 真夜中から…
a
震える指で君を弾くよ
君の気持ちに触れさせてよ
灰色に広がる世界の滸で
それでもまだ闘う意味を知った
その実りたちに 強がりに
囚われていたいの
b
僕等はみんな等しく 愛に呼ばれているんだ
淀んで滲んで褪せて 朝日の色に変わる
c
物語の中で僕はただ臆病な
嗚呼 獣を隠す夢をみていた
痛みを忘れることなんて
怖くて出来やしないはずだよ
誰かを許すほど命は アンビバージュになる
ただひとつ今を生きることくらい
こんな僕を愛してほしくて
ほどほどの身勝手さで
透明な音を染めて
徒爾アンビバージュ(作曲: 周水音贄(スルンディラP)様)
周水音贄(スルンディラP)さんの募集曲
https://piapro.jp/t/ptPG
※アンビベ…ケーキのスポンジなどに風味と適度の湿り気を与えるために、シロップなどをしみこませること。アンビベに使うシロップ類をアンビバージュといいます
とんでもない曲をありがとうございます
シンプルで複雑で死ぬほど好きです
その世界観をどうにか言葉にしたいなと思いまして応募させて頂きました
テーマは「僕」と「ピアノ」の対話の詞です
b(と独断で思っている)メロの後半の高音の方は作詞してません。
d(と独断で思っている)メロの最初と最後に「…」が付くのはそこだけピアノ目線だからという記号として付けたかったので、音と詞をずらす意味ではないです。
音の細かい区切りと詞の文節が違うところはありますが、文字数はかっちり合わせたつもりです。ご検討のほどよろしくお願いします
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