1A
好きだという言葉をぶつけ合うほど
その意味は擦り減っていくのに
愚かな僕らはそんな簡単な事も分からないまま
気付いた時には大暴落
「いつもそう、簡単に言うよね」って
その場しのぎの嘘みたいな凶器になってた

1B
図書館に通いつめて
代わりの言葉を辞書で探して
「月が綺麗ですね」なんて
日傘を弄ぶ昼下がりに言える訳がない

1S
物憂げな夕暮れに
停滞したままの暑さが鬱陶しい
さっきまで足元で揺れていた陽炎に
「夏だから仕方ないよね」って言い訳して
何の脈絡もなくキスをひとつ
「…もう少し、一緒にいたい」


2A
「愛してる」と身体を抱きしめるたび
本当は彷徨っているのに
不安も未来も全部目を閉じて気付かない振りをして
時計の音から逃亡劇
「振り向けば呆気なく捕まる」って
君は映画で見た話に怯えていたけど

2B
窓のない部屋に2人
途切れて繋いだ言葉と手のひら
「ねぇ…死んでもいいわ」なんて
頬染め俯いた君を僕が放す訳がない

2S
横暴な朝焼けに
照らされた僕らの足跡は曖昧で
海辺には潮騒が満ちて引いていくだけ
「怪我したら危ないからね」ってわざとらしく
君を横抱きにしてキスをひとつ
「…もういっそ、結婚しよう?」


3S
寂しげな星空に
散らばった惑星の孤独が痛々しい
そっと肩震わせて見上げてる横顔に
「寒いから仕方ないよね」って言い訳して
肩を抱き寄せて手にキスをひとつ
「…大丈夫、隣にいるよ」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • オリジナルライセンス

ノンフィクション・キス

文学的なカップルの愛情表現。

閲覧数:48

投稿日:2019/01/12 00:42:18

文字数:616文字

カテゴリ:歌詞

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