~第二幕~ 緑の娘
「私が生まれて、もうすぐ十六年・・・。もうすぐ私は・・・。
いいえ!望まれて生まれたこの命。
この世を平和にするためなのだからそんなことは思ってはいけないわ。」
これは私が昔からずっと思っていることだった。
私はこの街に戻ってきた。
あることをするために。
今まで、運命から逃げていた私。
でも、それを変えてくれたのは、白い髪のハクという私の本当の友達。
もしかしたら運命が変わるかもしれない。
けれどもそのまま私の知っている運命の日がくるのかは今の私にはわからない。
今まで運命から逃げていた私は「次は運命に従おう」と思っていた。
だからこそこの街に戻ってきた。
最近、青の王子がお忍びで来る。
彼は、ある人といっしょに、この世界を平和にするために産まれてきた。
でも、きっかけを作るのは、私。
だから偶然を装って心にもない笑顔で、
「あら?はじめまして?」
青の王子の心を手に入れた。
後は、時が来るのを待つだけ・・・のはずだった。
ある日のこと、王子と散歩に出てる時、街であったあの人。
なぜだろう?彼も私と同じだとわかった。
同じように生きるもの同士、静かに心が惹かれあった。
そのとき、十六になってはじめて心から微笑んだ。
私の知っている未来にない言葉。
けれども彼の隣にいるのは、あの国・黄色の国の悪の娘だった。
彼は悪の娘の召使なのだ。
笑顔はそのままだったが、心では絶望に追われるばかりだった。
王子の心は手に入れた。
後は悪の娘に殺されるのを待つだけ。
「早く、終わらせて・・・。」
自分だけが、こんな目に見えるように未来が見えるのがいやだった。
だから、こんな人生は早く終わらせたかった。
もし、今日殺されなければ、私の知っている未来とは違う未来になるはず。
未来は変わってほしい。
けれども、早く人生が終わってほしい。
もしもの時のために机の上に一通の封筒。
中身はこうだ。
「 ハクへ
いきなり緑の国へ行くと言い出してごめんなさ。
ハクがこの手紙を読むころは、私はこの世にはいないかもしれないけれど、
私がハクに緑の国へ来てもらいたくなかった理由を聞いてほしかったの。
実は、私には未来が見える能力があるの。
私が見た未来の中では私は黄色の国に殺されなければならなかったの。
でも、ハクには生きてほしかったから・・・。
自分を責めないで。
そして、ありがとう。
ミク
」
読み返しているとドアがノックされた。
ドアを開けるとあの人が・・・。
「彼に殺してもらいたい。」あの人にあってから、ずっと思っていた。
けれども彼は、とても辛そうな・・・涙をこらえて作り笑顔。
私は気がつかない振りして微笑み
「あら?あなたは」
「黄色の国の者です。少しお話があるので来て頂けませんか?」
「いいですよ。」
私は彼についてゆく。
彼に連れて行かれたのは井戸だった。
彼は何も言わない。
何も言わない彼を見つめる私。
私は「短い恋ができたこと、あなたのおかげです。ありがとう。」と心から感謝した。
ついにナイフを握る彼。
けれども彼は震えている。
最後は笑って死にたいな。
震えてすくむ彼の手を包むように手を重ねて私の胸へと突きたてた。
「ありがとう。」
私は死んで、後は黄色と青が争って、赤が民を導けば、私の役目は終わる。
気がつかない間に私はこの筋書きを生きていたのかもしれない。
彼に殺してほしかった。
だから筋書きを改善したのは私のわがままね。
緑の娘、ミクはいけにえとなった街娘。
いけにえとなったミクのことは、
後の誰も知らなかったそうです。
では、緑の娘を愛した
青の王子はどうでしょう?
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詞にしよう。
残ることを祈りながら。
星の魚になりたかった夏が過ぎていくから。...あの日のアストロノーツ
ReAg
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