打ち返す波 漂う船
海鳥集う 甲板に
唇二つ 遠い空へ
溜めた恋文 届けた
何時か手にした世界は
際限無く広がって
零したものも多いけれど
手に残った歌一つ
夜を埋めた星々が ひとつ ひとつ堕ちて逝く
尾を引いてえがいた別れ 物語の1ページ
さようなら
いつか、いつか
今は静かに眠ろう
不死鳥に明日の夢を見て
揺り返す船 凍て付く風
君抱き寄せた 甲板に
唇一つ 一つだけで
溜めた恋文 破いた
昔、手にした世界は
君と二人 始まって
拾ったものも多いけれど
やっぱりほら 最期だから
別れ告げる星々が 光の中に溶けて逝く
開く人途絶えた絵本 誰も知らないページ
さようなら
夜明け前に
君と二人で還ろう
不死鳥は揺り籠に歌う
そして夜が薄れて逝く
君の星が霞んで逝く
いかないで 子供みたいに
泣いた私を包む 白い、優しい翼
終わりを告げる星々が 記憶の中に降りて逝く
もう誰も知らないけれど 私は忘れなかった
さようなら
いつか、いつか
〝君〟と巡り還ろう
不死鳥は火の中に眠る
白い羽を抱き締めて眠る
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