〈サビ〉
傷を秘めた怪
胸元を伝う水
叫びは小さく、高らかに
こんな僕でも

…殺せますか？

〈Ａ〉
道行く人は怯え
物陰は影なく襲い掛かる
小さな思いはやがて薄れ
大きな穴だけ残った

〈Ｂ〉
建物は皆腐り
草は滅んだ
人はこれを未来(うんめい)と刻(よ)んだ

〈サビ〉
決意は胸高らかに
瞳(め)には何も映さない
視界は明るく、良好
さぁ今、お手をどうぞ

我が道に人はナシ

〈Ａ〉
暗く静かな海の底
果てしない寂しさだけを残し
明るい場所(みらい)へ
道標なら遺したから

〈Ｂ〉
崖から手を伸ばし
付け足しの未来を
今、砕く

〈Ｃ〉
こぼれた涙
水は地に落ち
枯れ果てた大地を濡らした
色の付いたそれは
手を染め胸を染め
地面へ叩きつけて終わり

〈サビ〉
傷を広げた怪
胸元に広がる水
視界は暗く、異常なし
やっと僕は

自由になった

〈サビ〉
終わりを告げる瞳(め)
濡れてる胸と手
悪夢は消える
今…、

我が道は明るく晴れた