大陸の中心にある森の中、いつも元気な金糸雀の姉弟は楽しそうに歌声を奏でていました。

「やぁ、君達はとても綺麗な歌声で歌うね」
歌う金糸雀に旅人らしき青年は声をかけました。紫色の髪に、マントを纏った青年が微笑みながら小さく拍手をしています。
「ありがとう!あなたは旅人さん?」
金糸雀の片割れ…双子の姉は嬉しそうに頬を染めて、旅人に駆け寄りました。
「そう、私は色々な人の話を聞いて回り、歌を作る吟遊詩人だよ」
旅人は優しく姉の頭を撫でました。

「あら、とても素敵!よかったら何か歌をきかせて貰えないかな?」
「初めてあった人にそんな失礼なこと駄目だよ…!いきなりすみません…」
姉は旅人に話をねだり、弟はそれを咎めました。
「なによ、少しくらい良いじゃない!」
「初めて会った人にそんなこといきなり言われたら困るでしょ?もっとよく考えてから発言しなよ!」
「まぁ、弟のくせに生意気よ!あんたなんてもう知らない。一人でどっか行っちゃえばいいのよ!」
弟の発言が気に障ったのか、頬を赤く染め姉は一人走り去ってしまいました。

置き去られ、うなだれる弟に旅人は苦笑しながら話しかけました。
「申し訳ないことをしたね。美しい歌声を聴かせてくれたお礼に君達にひとつ歌を贈るよ。

…これはこの大陸の西の国の話の歌。よかったら君からお姉さんに教えてあげて」
旅人は優しく音色を紡ぎはじめました…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

うたものがたり、はじまりのはじまり

pika様にご投稿頂いたリンレンの曲を聴いて思いついたプロローグの前の小話です。(pika様と蘇芳さんにしか話していませんが;)少し当初の設定と違ってすみません;

因みに旅人(吟遊詩人)役は魔法使いのくせにたまにふらふら諸国に遊びに行ってしまうがくぽです。

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投稿日:2010/09/12 15:35:07

文字数:594文字

カテゴリ:小説

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