大陸の中心にある森の中、いつも元気な金糸雀の姉弟は楽しそうに歌声を奏でていました。
「やぁ、君達はとても綺麗な歌声で歌うね」
歌う金糸雀に旅人らしき青年は声をかけました。紫色の髪に、マントを纏った青年が微笑みながら小さく拍手をしています。
「ありがとう!あなたは旅人さん?」
金糸雀の片割れ…双子の姉は嬉しそうに頬を染めて、旅人に駆け寄りました。
「そう、私は色々な人の話を聞いて回り、歌を作る吟遊詩人だよ」
旅人は優しく姉の頭を撫でました。
「あら、とても素敵!よかったら何か歌をきかせて貰えないかな?」
「初めてあった人にそんな失礼なこと駄目だよ…!いきなりすみません…」
姉は旅人に話をねだり、弟はそれを咎めました。
「なによ、少しくらい良いじゃない!」
「初めて会った人にそんなこといきなり言われたら困るでしょ?もっとよく考えてから発言しなよ!」
「まぁ、弟のくせに生意気よ!あんたなんてもう知らない。一人でどっか行っちゃえばいいのよ!」
弟の発言が気に障ったのか、頬を赤く染め姉は一人走り去ってしまいました。
置き去られ、うなだれる弟に旅人は苦笑しながら話しかけました。
「申し訳ないことをしたね。美しい歌声を聴かせてくれたお礼に君達にひとつ歌を贈るよ。
…これはこの大陸の西の国の話の歌。よかったら君からお姉さんに教えてあげて」
旅人は優しく音色を紡ぎはじめました…
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