4 セシル その2
ある日曜日の日のこと、私はレンとはゲームの世界で顔を合わせた。家にいないと思ったらネットカフェにいるらしい。そしてセシルさんも同じネットカフェにいるとレンは言った。
え、うそ、ホント?と胸が高鳴る思いがし、私もネットカフェに行こうかと思った。しかし、彼らがいる場所はいつも行っているネットカフェではなく、家からは遠い東京のネットカフェであったのであきらめた。
その日の夕方レンが帰宅し、私はすぐレンがゲームを始める前に話しかけた。
「ねぇ、ねぇ、レン君。今日セシルさんと一緒みたいだったけど実際に会うのって初めて?」
「えー?いや、もう何回か会ったよ。」
「そうなんだ・・。実物のセシルさんてどんな人?」
「あー?あぁ、すっげぇいい人だよ。人のよさはゲームと変わんないよ。」
「へ~。やっぱいい人なんだ。」
「おー、セシルさんて大人だからいろんなこと知っててチョーかっこいいぜ。」
「へ~。」
「ゲームだけじゃないぜ、俺にいろんなこと教えてくれるし、マジかっこいい。あこがれる。」
「ふへ~~。」
「ん、何かお前、顔がうれしそうだな。なんか気持ち悪いんだけど。つーか部屋の中までついてこないで。」
「うぅ、気持ち悪いって・・」
まぁ、いいや。私がセシルさんを気にしてるなんてレンに悟られたくはない。それ以上レンにセシルさんのことは聞かなかった。
うーん。しかし気になる・・。ゲーム以外でもいい人らしいけど、どんな感じなんだろう・・。歳は24、5くらいらしいけど、気になるなー。
私は日に日にセシルさんのことを想うようになった。思い切って好きですって言っちゃおうかなー。でも私みたいな子供なんか絶対相手にしないよねー。
「鏡音・・、どうした?さっきから顔がにやけてるぞ。そんなにこの公式がおもしろいか?」
が!・・。しまった。授業中にまでもの思いにふけってしまった・・。
「いえ、別に・・何でもないです。」
「あーそう。ならいいけど。まぁ、中学生のころってのはいろいろとあるからなー。ガキにはガキなりになー。大人には解らないものってのがあるんだよなー。先生の中学生のころなんてなー思い出すと今じゃありえんようなもんで興奮したりしたもんだよなー。ナハハハハっ。鏡音!先生はお前の気持ちが解らなくもないぞー。」
「・・・先生!いったい何の話をしてんですか!私を先生みたいな変人と一緒にしないでください!叫びますよ!。」
「無理しない、無理しない。わかる、わかるから。先生わかるから。先生、君のことホントわかるから。」
「クッ・・も、もういいです・・。」
クスクスっとクラスの中から笑い声が聞こえる。このアホティーチャー、家帰ったら呪いをかけてやる・・。でも確かに私は顔がにやけてたと自分で思う。
私は自分の中でこの想いを留めておくのが辛くなってきたので誰かに聞いてほしくなった。当然レンはない。父もない。母・・同じ女性。もっとも自分に親しく身近な女性である人。・・いやこの人もないんだよな・・・。お母さんには悪いんだけど・・私からしてみるとなんというかちょっと線がズレてるというか・・なんか違う・・。うぅ・・自分の母親をこんなふうに思いたくはない・・が、やっぱ変わってるからこの人はダメ。学校の友達も心から相談できる人はいない。それに下手にこんな話を相談したら私が大人の人に恋してるなんて学校に広まりそうで怖い。
そんなある日、ゲームの世界でミスティさんと話をしていた。
ミスティ〔なんか最近MASATO君元気なくない?どうかした?〕
MASATO 〔いや、別にそんなことないですよ〕
ミスティ〔そーお?何か悩んでるように見えるわね。よかったらお姉さんに話してごらんなさい。怖くないから、やさしくしてあげるわよw。〕
MASATO 〔はいwありがとうございますww〕
うーん、さすがミスティさんするどいなー。
5 ミスティへ続く
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