日曜日朝早くから川沿いの道を歩く
隣のキミは白い息を吐きながら 調子はずれの歌を口ずさむ
ご機嫌なのはいいけどそれって何の歌?
なんか頭痛くなってきたんだけど 呪いの歌とかじゃないよね?
「元気ないじゃん! 顔が暗いぜ」 肩を叩くなよ 生まれつきだよ
大きな口を開けて笑うキミ
「海を見に行こう!」 電話越しにもキミの笑顔が目に浮かぶよ
耳が痛いから携帯を遠ざけて話すよ
「歩いていこう!」 勘弁してよ俺は週休1日なんだから
「もうすぐ家に付くよ」ってなにこれ拒否権とかないわけ?
もうどれくらいまで来たんだろう 半分は過ぎたかな
前を行くキミは息切れをしながら オチのない話を盛り上げ中
まあ別に良いんだけどその話まだ続くの?
お昼ごはんはなにしようかな それより喉渇いたなあ
「ねえ聞いてる? こっちを向いてよ」 ああ聞いてるよ 憶えてないけど
あくび噛みしめキミに追いつくよ
「良い天気だね! 日頃の行いが良い証拠ね」 その顔見てると
否定するのも馬鹿らしいかなって思えてくるよ
「お昼何食べる? そうだ! ジャンケンで負けた方のおごりね! チョキ出す!」
心理戦かよ それじゃ俺もチョキ出すから割り勘でいい?
いつも無茶苦茶で 無理難題を引っさげ登場 長い無駄話
正直いいところが見つからないよ
それでもキミは無理矢理にでも僕の手を引いてくれる
そんなキミのことが
大好きだよ なんて素直に言えたらどんなに楽なことだろう
意気地のない僕さ これじゃダメだってわかっている
海に着いたら言おう 波の音!? もう着くの!? 心の準備ができてない!
この言葉は 次の日曜日までに練習しておこう
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