1A
“降りしきる冷たい雪”
“少女は　一人生きる”
あらかじめ　定められた
結末へと向かう

1B
仮初めの　ステージの上で
見えない力に　体ごと委ね
幾千の瞳　私を観るけど
焦がれるのは　違う　ここにいないあなた

1S
配役(レプリカ)の　少女のように
凍てついた空　そっと見上げる
思い出になりきれないと
悲しむように零れる
紫色の雪


2A
降りしきる冷たい雪
ステージを舞いたいと
幼い手伸ばしていた
あなたに握られた

2B
「恋人の練習をしよう」
抱きしめられれば　温もりが響く
上手くできなくて　ぶたれもしたけど
導かれて　そして　そして　あなたは去った

2S
たとえこの　舞台(ドラマ)の上で
いくつの腕に愛されたって
幻想の炎の中で
消え残ってる真実
狂おしく嘆く少女は
愛しい人の名を繰り返す
薫り出す紫の色
あなたの引いたルージュが
涙を許さない


3B
泣きながら　うわごとみたいに
唱え続けてた　台詞は淡雪
上手くなれたなら　お菓子をくれると
気紛れな瞳(め)　いつも　いつも　微笑んでいた

3S
嘘をつくやり方さえも
教えてくれた人を探して
移り気な蝶を演じる
見えない羽根を傷つけ
脱ぎ捨てて　全て外して
寒さに晒す甘い傷跡
薔薇色の寝台(セット)の中で
カーテンコールも
忘れるくらいに
私をだめにして



【譜割り・()は一音分】


1A
ふりしきる　つめたいゆき
(しょ)う(じょ)は　ひとりいきる
あらかじめ　さだめられた
けつまつへとむかう

1B
かりそめの　ステージのうえで
みえないちからに　からだごとゆだね
いくせんのひとみ　わたしをみるけど
こがれるのは　ちがう　ここに　いないあなた

1S
レプリカの(しょ)う(じょ)のように
いてついたそら　そっとみあげる
おもいでになりきれないと
かなしむようにこぼれる
むらさきいろのゆき


2A
ふりしきる　つめたいゆき
ステージをまいたいと
おさないて　のばしていた
あなたににぎられた

2B
こいびとの　れん(しゅ)うをしよう
だきしめられれば　ぬくもりがひびく
うまくできなくて　ぶたれもしたけど
みちびかれて　そして　そして　あなたはさった

2S
たとえこの　ドラマのうえで
いくつのうでにあいされたって
げんそうのほのおのなかで
きえのこってるしんじつ
くるおしくなげく(しょ)う(じょ)は
いとしいひとのなをくりかえす
かおりだすむらさきのいろ
あなたのひいたルー(ジュ)が
なみだをゆるさない


3B
なきながら　うわごとみたいに
となえつづけてた　セリフはあわゆき
うまくなれたなら　おかしをくれると
きまぐれなめ　いつも　いつも　ほほえんでいた

3S
うそをつくやりかたさえも
おしえてくれたひとをさがして
うつりぎな(ちょ)うをえんじる
みえないはねをきずつけ
ぬぎすてて　すべてはずして
さむさにさらすあまいきずあと
ばらいろのセットのなかで
カーテンコールも
わすれるくらいに
わたしをだめにして