─冬

「サクラって綺麗だ・・・・」
いつも呟く様に言っていた私のマスター。
このごろ元気がなくなってきた、

そうだ!お花を取って来てあげれば元気が出るかな?

私は勢い良く病院を飛び出した。

マスターがよく見ていた写真を思い出すんだ!
ピンク色で花びらが五枚ッとても綺麗なお花。

コッチかな?アッチかな?

─コレは、似ているけど違う。

コレも違う・・・・・。

何処にあるのかな?

あ、お兄ちゃんだ。

「その花なら前に公園で見たよ。」

その言葉に私は笑顔を見せたけど

「でも──
   まだ、咲いてないよ後ちょっとかかる。」

後ちょっとってどのくらいなんだろ?

私はお兄ちゃんに教えてもらった木の下に座った

小さなつぼみが咲いている。

アレがお花になるんだ。

もう日が暮れた・・・・。

後ちょっとってどの位なんだろ?

それから
毎日木の下に遊びに行った

一ヶ月経って

また一ヶ月経って

また一ヶ月。

そしたら
綺麗な花が咲いた。


そうだ!!
マスターに見せてあげよぅ!!

木に登って一番綺麗な所を一本
アリガトッまたね!!

木にさようならと挨拶をして
マスターの所へ帰る

マスターマスターッサクラだよッマスターの大好きなサクラだよッ!!



マスターからの返事が無かった
何回、何十回、何百回読んでも
マスターからの返事は無かった。

そこにあの笑顔を見せてくれたマスターはいなかった。

そうだサイハテを唄おう。
泣いちゃダメだッ!!!

私はこぼれる涙を拭きながら
マスターの大好きだったサイハテを唄いつづけた。






ライセンス

  • 非営利目的に限ります

サクラ

小説です・・・・・。
スミマセンデシタ。

閲覧数:66

投稿日:2008/12/08 17:29:59

文字数:692文字

カテゴリ:小説

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