ある日のクリプトン家。
「テストつかれたー」
と、言いながら、アタシは椅子に座った。
「リリィー、そんなにどかっと座ると椅子が壊れるからやめてよー」
と、ルカ。
って、
「そんなに重くない!」
アタシは反撃したが、
「リリィ、小学校の時のこと、覚えてる?」
「・・・覚えてます・・・・椅子から落っこちて、膝をすりむいて、椅子を壊しました」
「覚えているならよろしい」
うまいことルカに言いくるめられてしまった。

「あ、リリィちゃんだー。おひさー」
突然ドアが開き、ルカの同居人、鏡音リンが入ってきた。
「お、リン、おひさー」
「あはは、リリィちゃん相変わらずだねー」
「ははは、そうか?」
「うん!ルカ姉と並ぶとリリィちゃんの女子力の無さが際立ってるとことか!」
おい、それどういう意味だと言いそうになったけど、あんまり言うと言いつけられるから黙っとく。
「そういえば聞いてよ。レンがさ」
「ん?またケンカしたのか?」
「うーん、けんかって言えばけんかなのかな?」
「で、一体どうしたのよ?」
「いや、大したことじゃないんだけど・・・」
『ゴクッ………』

「どっちの道、曲がるかでケンカしちゃってさー」
と、言って、リンはあははははーと笑った。
アタシとルカは顔を見合わせた。
「リンはね、右利きだから右がいいって言ったんだけど。レンは左がいいとか言ってね。ま、もう仲直りしたんだけど・・・て、二人ともどうしたの?さっきから黙って」
「うるせえリア充が!なにのろけ自慢してんだよ!!」
「ちょ、ななななに!?リリィちゃん!?」
「リンなんてこうしてやる!」
「わわわっ!くすぐったい、やめてやめて!」
「ダメじゃない。リリィ。リンにそんなことしても」
腕を組み、仁王立ちになったルカが、床で取っ組み合いをしているアタシ達をみて言った。
「ル、ルカ!?何言ってんの?だってリンは・・・」
「いけいけルカ姉!言ってやれ!」
いつの間にか起き上がったリンはルカに声援を送った。
「リリィ…」
「ゴクり」
「リンにそんなのは効かないわ。これがいいわよ」
と、言っていつの間に持ってきた橙色の液体が入ったコップを置いた。
「ルカ、何それ?」
「オレンジジュース」
「オレンジジュース!!!!!」
リンが叫んだ。
「ルカ!オレンジジュースって言ったらリンの大好物じゃない!?」
「ルカ姉最高!愛してるよ!!」
「ルカ・・・わたしは、信じてたのに」
「と、もう一杯」
ルカは少し赤みがある橙色の液体のコップを置いた。
「る、ルカ姉。そ、それは」
「そう人参ジュースよ」
そう言ってルカはニヤリと笑った。白雪姫に出てくる魔女みたいと、アタシは思った。
「そして、こうするの!」
「やめてルカ姉!そんなオレンジジュースに罪はないのに!」
「フフフ。その目でしかとご覧ぜよ」
そしてルカは大きめのコップを置いた。そして二つの液体が入ったコップを持つと、それらを一つのコップに入れてしまった。
「きゃあああああああ!リンの愛しのオレンジジュースがああああああああああ」
「フハハハハハハハハハ」
ルカは空のコップを持ったまま高笑いした。
そう、リンの大嫌いなものは人参ジュースだ。固形の人参は大丈夫らしいが、液体と化した人参は苦手らしい。
ん?てか、
「テストまだ終わってなくない?」
と、言ってアタシは顔をあげた。
だけどルカは笑ったままだし、リンは床でローリンガールしている。
「リリィさん、リリィさん。リリィさん!」
どこからともなく、あいつの声がする。
あいつの姿を探そうと部屋の中をぶんぶんと首を回してみるが、メガネさえも見えない。
どうなってるんだ?



気づいたら誰かがアタシの体をゆらしていた。
「リリィさん・・・やっと起きましたか。テスト勉強していて机で寝落ちなんて、あなたらしいですね」
と、キヨテルはため息交じりに言った。そこでアタシは机に伏せて寝ていることにやっと気がついた。
「全く、一夜漬けなんて頭に入らないんですから、してはいけませんよ」
「・・・」
「リリィさん?」
「キヨテル、今何時?」
「いまですか?8時10分ですよ」
今なにしてた?って聞かれて、息してたっていう感じでキヨテルは言った。
が!
「何でもっと早く起こしてくれなかったんだよ!!!今日テストって知ってるんだろ!?」
「まあ、一応そこの教師ですからね」
「ですからね、じゃねええ!!!」
そう言いながらアタシは制服を引っ張り出し(出しっぱだった)、カバンに教科書とかをつめた。
「キヨテル」
「はい。なんですか?」
「着替えるから出てけ」
「はいはい。あ、昨日のブラウス着ちゃだめですよ」
「わかってるよ!!!」


大慌てで朝ごはんを食べ、玄関で靴を履く。
「いってくる!」
ドアを開け、走り出そうとしたそのとき、
「リリィさん、遅れますよ」
「キヨテル?」
そこにはバイクに乗ったキヨテルいた。
「リリィさん、後ろ乗ってください。一緒に行きましょう」
「はあ!?」
「四の五の言う暇はありませんよ。さ、乗ってください」
確かにキヨテルの言う通りだ。
くそっ、背に腹は変えられないか。
アタシは黙って後ろに乗った。
「リリィさん、しっかり捕まってくださいね」
「…」
「ところでリリィさん、テスト終わってから暇ですか?」
「え、ああ」
「じゃあ一緒に遊びに行きましょうか」
「は?」
バイクは走り出した。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

徹夜はダメよ

なんか書きたくて書きました。少しキヨテル入りましたね。

閲覧数:170

投稿日:2014/12/04 20:10:57

文字数:2,245文字

カテゴリ:小説

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  • すぅ

    すぅ

    ご意見・ご感想

    ルカリリの友達シーン、リンちゃんの惚気、あと後半のキヨリリシーンご馳走様でした!!!!!!!
    キヨテル先生とリリィさんって同居!?バイクに乗ってけよとかもうアカンですよ萌えますよmikeさん!!!!////
    そしてしっかり眠らせてあげるキヨテル先生優しすぎる!!!!!イケメン!!!!!
    ご馳走様でしたありがとうございます!!!!!!

    2014/12/05 17:36:38

    • みけねこ。

      みけねこ。

      メッセージありがとうございます、すぅさん!
      わたしの中では、クリプトン系のボカロとインターネット系のボカロと別々にまとまって住んでいる感じです。
      これからも楽しいお話が書けるようにがんばります。

      2014/12/06 20:58:03

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