※警告という名の諸注意、やっちゃったよセルフパロ
・帯人×女性マスター(篠武)
・カイトは出てきません
・妄想による世界観、しかも本家よりダーク。
・オリキャラ満載(オリキャラは名前・設定ともにシャングリラと同じ・若干性格は変わっている場合もあり)
・帯人はアンドロイド・機械的な扱い、表現を含む
・女性マスターの一人称が『オレ』
※ここ大事※
多分いないとは思いますが…万が一、本家シャングリラを少しでも気に入ってくださっている方がおりましたら、今すぐ全力で引き返してください!本家シャングリラとは一切関係ありません。悪いのは全面的に私ですorz
恐らくツッコミ処満載ですが、エンターテーメントとして軽く流して楽しんで頂けると幸いです
上記が許せる方は、自己責任で本編へどうぞ
☆☆☆☆☆☆☆
11.
SIED・SINOBU
『---県---市にある---社所有の研究施設内で、昨夜未明に所員8人が重軽傷を負う事故が発生し-----------』
ふぅん…事故、ねえ…。
「…加奈さん、オレ暴力はいけないと思うんだ、」
「やぁねぇ、私じゃないわよ、」
加奈さんとこの特殊医療班から派遣された、救急救命士の皆様の迅速な対応で、近場の病院(ここも加奈さんのテリトリー)へと青年を搬送し、オレは駆け付けた彼女とともに別室で朝を迎えていた。現在早朝4時…地味に眠い。
「ふぅん…、偶然にしてはタイミングが良すぎないか?」
「…それは…私も同感だけど、」
ちょうど今、朝のニュースでやっていた場所って、オレが行くはずだったところじゃないか。こんな都合よく『事故』が起こると思う?加奈さん、ついにやっちゃったな…。
「オレがミスったからって、早まらなくても…。まぁ、いつかはこんなことになるんじゃないかとは思ってたけどさ、」
「だから、私は何もしてないってば、」
正隆さんが事故さえ起こさなければ、オレがもっとうまくやったものを。ってか、加奈さん時々、いや結構過激なところがあるからなー。
「もう、信じてくれないならいいわよ。…何があったのか、今詳しく調べさせてるから、結果が出ればあなたも納得するでしょ、」
「ん、楽しみにしとく。さーて、オレはあの青年がどうなったか見てくるかなー、」
十代後半から二十代前半と思しき黒髪の、なかなかの美青年。
だけど、搬送する途中で気づいたが、彼の着ている服にはところどころ褐色の染みが広がり、その細身の身体には、無数の傷…?のようなものがついていた。
車にはぶつけた痕跡はなかったし、…ってことは事故る前からあの身体で山道を歩いていたってことか?あんな雨の中、真夜中に一人で?
…訳アリか?厄介なことにならなきゃいいけど。
オレは湧き上がる数々の疑問を頭の中で反芻しながら、青年の運ばれた病室へと足を向けた。
12.
SIED・MASATAKA
信じられない…。
今、僕の目の前に横たわっているもの。
これが…このできそこないの人形が、僕の命を削って身を粉にして、人生の全てをかけた一大プロジェクトの集大成?
違う、ちがうちがう、違う!!!そんなこと、そんなわけがない!こんなものが、こんな…ガラクタが、僕が望んでいた、創りたかった『VOCALOID・KAITO』なんかじゃない!!!!!
「あれ、まー君も来てたの?青年はどした?まだ気付かないか?」
「…篠、ちゃん…?」
突然突き付けられた現実に錯乱しかけていた僕は、篠ちゃんが部屋に入ってきたことにも気づかなかった。
「うん?…おい、どうした、凄い顔色が悪いぞ、」
どんな顔をしているのか自分ではわからないけど、相当酷い状態の僕を見て慌てて駆け寄る彼女の声に、不意に全身の力が抜ける。
「しっかりしろ!」
崩れそうになる僕の身体を支えてくれる篠ちゃんに、衝撃で震えて上手く喋れない唇を何とか宥め、これだけは伝えたいと…やっとの思いで声を絞り出した。
「その、青年は…彼、は…アンドロイド、だ、」
「…えっ、」
見開かれた彼女の瞳に映る僕は、ああなるほど…確かに酷い顔をしているな…。
13.
SIED・SINOBU
思いつく限りの罵詈雑言を撒き散らす正隆さんを抱き締めて、彼が落ち着くのを辛抱強く待つ。
こんなにも激情を露にする彼を見たのは、初めてだった。
オレには到底理解できないほどの悔しさを滲ませ、流れる涙も拭わず痛いくらいにしがみ付いてくる。
「酷い…酷すぎるよ、こんなの!」
「…うん、」
「どうしてこんな粗悪な、材質だって最低な原料で構築したんだ!生体部分は維持再生するのが難しいのに、…こんなもの使ったら安定するわけないじゃないか!!!」
「…うん、」
「中身だってそうだ!!!僕が時間をかけて組み上げたプログラムを、勝手に弄りまわした挙句、組み換え不能だと気付いた時には手遅れで…元に戻らないそれを無理やり基盤に繋げてエラー起こして…、」
「…うん、」
「カラーリングもサイズも無視して、出来上がったこれはなんなんだ!!!こんなの、KAITOじゃない!!!僕の…生涯一の最高傑作になるはずだったのに!!!!!」
「…うん、」
どうやら、オレが加奈さんと話している間に、青年の異変に気付いた正隆さんがいろいろ解析していたらしい。
出てくる結果は、どれも彼を絶望させるには充分なものばかりだった。
(最悪の結末だ、)
長い年月かけて大切に、時には辛酸を舐めて苦労を重ね、やっと形になろうとしていたものを奪われた挙句、土足で粉々に踏みにじられるってどんな気分なんだろう。
オレは、そんな想像に胸を痛めながら、ベッドの上で未だ目を覚まさない『KAITO』になるはずだった彼を見ていた。
14.
SIED・???
どこか遠い意識の果てから、誰かの声が聞こえてくる。
ぼくはガラクタ?出来そこないなの?
欠陥品だから要らないの?
だから、苦しい思いをしていたの?辛い時間は、そんなぼくへの罰だったの?
じゃあ、どうしてぼくを創ったの?
ぼくの存在は間違いなの?
『VOCALOID・KAITO』
それがぼくの名前?でも、違うよね。だってぼくは不良品だから。
だったらさぁ。
ねぇ、ぼくって一体。
何なの?
続く
※亜種注意※Lost.Eden//叶わなかったシャングリラ【帯マス】第四話
正隆さん、帯っちゃんより先に病まないで;
あれ、これはどの方向に謝ればいいのかしら…。
ちょっと帯っちゃん可哀想すぎますね、カイトも可哀想ですけどorz
これ本当に大丈夫かな…。←
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