雪の降る夏があったっていいじゃない
それが僕たちだけの季節なら
だれも文句は言わぬだろうさ
凍る吐息に触れる度
薄らいだ想いが色を増すことも
きっと魔法じゃないだろうから


融けた町 閑けさに秒針が止まれば
天日だけが地面を灼いて息吹を持っていた
乾く風 猫が鳴き、日当に丸まれば
草いきれと陽炎の奥、空を見遣っていた

揺れぬカーテンを開いて差し込む雲の影も
茹だる瞳には形を残さぬなら

白に塗ったっていいじゃない
饐えたような時間を冷やすまで
音を呑んで世界を埋めるのに
高鳴りだした鼓動から
喧噪が再び息を吸うさまを
君と目の当たりにしようじゃないか


西の端 群青に橙が迫れば
鐘が響き、自転車をとばし気味に漕いでいた

今朝方濡れていたタイヤも道もこの瞳も
昼下がりの蒸した水色に混ざったようで
もう


明日の来る今があったっていいじゃない
それが僕たちだけの奇跡なら
誰も追いつけはしないだろうさ
何を言ったっていいなら
今は幸せだけを語らおうか
ずっと色褪せはしないだろうさ
星の灯に目覚めては
昇りゆく朝日を待ち眠るのが 嗚呼
凍る吐息に触れる度
薄らいだ想いが色を増すことも
きっと魔法じゃないだろうから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

雪宿り / v flower

閲覧数:119

投稿日:2019/10/05 20:08:44

文字数:515文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました