ボカロPです、たぶん v flowerと戯れつつ曲を作る高校生。低浮上だけど生きてます Twitterはこちら → @nenalo_1024
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使い古された言葉を吐いていた
生まれたての世界と半透明の感情は
口に出した途端、ありふれた色になるの
身を切る痛みを、夜雨の優しさを
写し出すセリフも持っていないのに
小風が水面を撫でた
まだ、眠れないまま
声にならぬ呟きの、そのうねりが歌う
この音に乗せた曖昧な温度は
君のもとに届くまで変わらぬだ...ひとりごと / v flower
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わずかに硬い春空にあくびをした
街を射る朝日
晩ご飯は昨日の残りのカレーでいいかな
わずかに空の端 残る藍の色は夜の落とし物
胸の奥の昨日の痛みもコーヒーに溶いて 飲み干した
スマホの映し出す運勢はあまり良くなくて
さっき見ていたテレビとどっちかが嘘をついてる
モノクロの日々は
ほら、確かに色を帯び...強がり / v flower
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炎天下、「君はどこなの」って歩いていた
黒い長髪に日差しが染み込んで暑いや
足元の石ころを蹴飛ばして
うっすら汗ばんだ経口補水液の蓋を開ける
そういえばさ、君も行ったよね
数年前の長い午後だっけ
貼り付けたような雲を見上げて
「また明日も遊ぼうか」
笑い声、プールに投げ込んでは経口補水液に口を付ける...500mlの青 / v flower
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行りの色をまとった
どことなく退屈だった
雨が雑踏を包んだ
街は霞に沈んだ
いっそ灰色の中
どこか流されるように
水面に少し笑って泣いた
戻らなくて遠ざかっては
昨日に縋ってしまうの
どうして? 痛いくらいもっと縛っていてよ...春霖の街 / v flower
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ほら 僕ら、また立ち止まっている
ああ どこか雲の中浮いているような
ほら 僕ら、またここに立っている
進めないんだよ 戻れもしないのに
君は今日も「またね」って 手を振ったけれど
僕らは明日もこの場所で また会えるだろうか
流星が今、染める空を分かち消えたら
或いは、僕ら夢の果てで出会えるだろうか...秋風哀歌 / v flower
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音のガラクタを散りばめた歌声
指先を伝う言の葉
蝉の音 溶ける蜃気楼
口を衝いた「暑いね」なんて台詞は何回目だっけ
聞き飽きていたその響きさえ僕らの背中を押すんだ
汗を拭いた 滲む視界に映った今日が光るような
僕らだけの季節が木立を抜けて、揺する
いつの日か振り返った僕の目が鮮やかに映し出すように
...忘れじの詩 / v flower
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くもった鏡が映した時計は午後1時2分を刻んで
いやに静かになった知れた街へ繰り出すが
しまった、ポケットに居座った右手が呼吸をするのを拒んで
指先が腐った ちょっと泣いてしまいそうな夜を歩く
「もう一回」
何度目かも知らないや
夜が更けて飽きるまでやって過去になった時間は戻らないと知りながら
しまっ...夢中散策 / v flower
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クラっと呑まれてしまいそうな
灰の朝に触って 心地良いだとか言って
歩調を緩めまいとしては
五分咲きの寒空と廻風
凪げ、斜めな雨
後悔の顕在性とその涸れ
奏で、騙れ 人波に
空音を謳った
今更、眠りの縁 揺らぐのは藍と濃緑の境界線
霧雨に濡れ固まった心裡が...n/a / v flower
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雪の降る夏があったっていいじゃない
それが僕たちだけの季節なら
だれも文句は言わぬだろうさ
凍る吐息に触れる度
薄らいだ想いが色を増すことも
きっと魔法じゃないだろうから
融けた町 閑けさに秒針が止まれば
天日だけが地面を灼いて息吹を持っていた
乾く風 猫が鳴き、日当に丸まれば
草いきれと陽炎の奥、...雪宿り / v flower