街看病
街が病んだ そろそろどこか遠くへ
スコップ両手に地面掘る人々
地下鉄の落とし穴はもうすぐだ
轟音の中で消えてしまう存在
マーチが止んだ 傾くブリキの太鼓
ほこりが居眠るショーケースの中
そびえ立つ風はビルを飛び越え
点滴が一滴ずつ垂らす
カーテンが揺れる風景 光が瞬いたら
止まらない過去が泡を吹いて目を閉じて
手を掲げたって 助けは鳥のようで
飛んでいった
街が死んだ 弔う黒い人々
供花を突き刺す ひび割れた路に
電話は鳴る 忘れ去られぬように
懐かしい音が聞こえている
地面の底で歌っている
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