「あれはね、ジェミニ…ふたご座だよ」
「ふたご座?」
ラルは言ってた、ふたご座のお話は、とても悲しい話だった。
私が双子って言うのもあったのか…それとも、私に片割れを亡くした記憶があったのか…。
まあ、そんなのは今はいいとして、私は、一生懸命ラルの話を聞いてた。
「…私、ふたご座を基にしたキャラクターが、ほしいんだ…幸せに暮らす事の出来たふたご座のお話を…」
「…一人ぼっちは、辛いから?でも、片方の子も、星空に行けたんだから良いんじゃないの?ほら、だってあの星空のふたご座は、仲良しそうにくっついてるもん。神の子供とか、人間の子供もなしに、ずうっと、二人でくっつけてるよ?」
私は、空にふたご座を描きながらラルに尋ねた。
「…私は、昔は其処まで考えなかったわね、昔に、双子のピエロを描いたの」
「ピエロ?」
「うん、双音ミニェ・ジェミ…。でも、描いてから私は、あの子達を放置してたの」
「何で、今思い出したの?」
「う~ん、多分…ふたご座を見たからかな?久しぶりに…あの子達に会いたくなってきたわ」
「なら、その子達をボーカロイドにすればいいんじゃないのかな?そうすれば、私だってその子達に会えるし、もうその子達を忘れる事もないと思うよ!」
「でも…今更、私に何かしてくれるとは思えないし…」
ラルは俯いた。結構昔に描いて、忘れてたのかな?
「大丈夫って!その子達に会いに行こうよ!」
「…ええ。分かったわ」
+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
「マアアアアアアアアアアアアアアアスタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァーッ!」
「マスタアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッ!」
「きゃっ!」
今、ラルには二人の女の子が抱きついている、という状況。
ラルに抱きついている二人が、さっきラルの言っていたミニェさんとジェミさん…らしい。
「マスターッ!私達にやって欲しい事、なんなりといってください!」
「私達はマスターに会えることを心待ちにしていました!」
「…私なんかで…いいの?」
「はい!私達のマスターは貴方しか居ません!貴方以外には信じられません!」
「あなたは私達を作ってくれた唯一無二の存在です!私達はずっと貴方を待ってたのです!」
「ほら、ラル。二人だってラルの事、待っててくれたんだよ?だから、笑顔でいようっ!」
*******************
マスターに泣いてる顔は似合いません。
マスターが泣いてたとき、私はとても辛くなります。
私は道化師です。だから、マスターを笑わせる事が出来ます。
でも、私達がいくら何をしても、マスターが笑ってくれなかったときは、とても寂しいです。
だから、マスター、笑っててください…。
貴方の笑顔が、私達を救ってくれてるんですから…。
「まいますたーがすきなの、りずなもわすれないでねっ!」byリズナ
双子の道化
本当は一話この間に挟まってたのですが欠番となりました。
ふたご座のくだりは完全に尺稼ぎですwww
でも、忘れられていても、信じ続けて、やっと会いたい人に会えた、それが二人からの視点なんですよね。
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