A
車道の隅 線香の匂い
電柱の影 供える花
一年前、君はここで。
手を合わせた そのとき気配が

B
「驚いた?」ってにやけてる 遺影で慣れたその顔は
あの日と何も変わらない君で
思わずひっくり返って アスファルトで頭を打った
激痛ーーそうか、驚いた。
夢じゃ……ない。

A
並んで歩く橋の上で
他人行儀な調子で話す
すれ違った人の台詞
ーーあの子 誰とお喋りしてるの?

B
もしかして、って振り向くと 寂しく笑う君が問う
「そういや今日は何の日か、知ってる?」
よくよく見たら透けている 手足の先の白い肌
この日は確か盆の入り……
「当たり」

S
夏休み。幽霊になってまで会いにきた
君と僕 残された最後の時間なのだろう

C
何がしたい? 「なんでもいい」
家来たい? 「どっちでも」
じゃあどうぞ。「お邪魔します」
アイス食う? 「要らないよ」
なんで来た? 「わからない」
言うことは? 「何もない」
嘘つくな。 「嘘じゃない」
嘘つくな。 「嘘じゃない!」

A
なんだってほんと、こんな時まで
喧嘩しなきゃいけないのか。
次の次のその次の日
やっと君は姿見せた

B
供えた花は枯れていて 一人で君は立っていた
僕に背中を向けたまま 告げる
「向こうはとても苦しくて」
「君まで連れて行きたくて」
「同じ時間を生きてたくて」

S
夏空に消えてゆく陽炎に叫ぶ
ごめん、でも。
そっちには行けない。
まだ行けないんだ。

遠い記憶を守るために

僕はいつでも 今でも
君の隣で生きてるから。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

夏の空、ユウレイの彼女。

人生で一番思い出に残っている、夏休みの四日間。

歌詞募集(http://piapro.jp/t/SKyJ)に応募させていただいたものです。
前のバージョンにひらがなの譜割りを置いています。

(6/6)
注目の作品入りしました。ありがとうございます!

(7/31)
曲募集中タグ設置。採用作と被ってしまうので、タイトルを「夏空ゆうれい」から変更しました。

閲覧数:1,436

投稿日:2015/06/05 14:11:43

文字数:654文字

カテゴリ:歌詞

  • コメント1

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  • tk

    tk

    ご意見・ご感想

    おぉ、素敵な世界観ですねぇ。
    コミカルで少し切なく、夏にぴったりだと思いました。
    ゲームや小説ではよく見かけますが、歌詞でこういう話は新鮮です。
    とても、とてもいいですぞw

    2015/06/05 17:37:42

    • 鈴本キョウコ

      鈴本キョウコ

      tkさんありがとうございます!
      ご感想、とても嬉しいです(´∀`*)

      おっしゃる通り、ゲームや小説でありそうな話を目指しています。幽霊もののいわゆる「王道」的展開ですね。
      そして歌詞なら斬新かなとも思っていました……!
      見透かされていますね(笑)

      夏らしさ(一種の爽やかさ)や切なくなりすぎない程度の切なさもかなり意識したところです。
      気づいていただけて嬉しいです!

      歌詞を書く上でつい非凡な話に走りがちになってしまうのですが、こうした王道な話をしっかりと書ける力も身につけていきたいと思います。
      ありがとうございました!

      2015/06/07 23:48:31

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