飛び降り 立ち返り
手向けの花も無くて
無慈悲に「どちら様?」と
誰かが問う

「アタシ、真昼の蝶々
ここから堕ちるのです。」
無意味におどけてみた
ハ音ノ音、

行き場もなくてひらひら
迷子のホタルはふらふら
紛れて箱詰めくらくら
堕ちて? 花は何処へ?

息を塞ぐ ガラス越し
アタシのふりした わたしは
かすれたラベルの標本
呼んで? 名前 決めて。

貫いたピアス一つ分 胸に根付く 花のよう
あぁ ただただ 舞い降りることはできず
翅は朽ち落ちてゆく



踏み切り 行き止まり
引かれる声も無くて
無邪気に「どちら行き?」と
わたしは問う

「アタシ、真昼の蝶々
 これから溶けるのです。」
むずがるように吐いた
ハ音ノ音

コンクリートにうやむや
花抱きとめても あやふや
粉々の翅は ひらひら
溶けて? 消えて? 変わる?

輪郭 遠く虚ろぐ
アタシのふりした わたしは
呑み込まれ 膜の内側
呼んで? 形 決めて。

積み上げた アタシ一人分 ここで散って 泡のよう
あぁ ただただ 拭い去ることはできず
翅をもう一度だけ



こちらすでに行き止まり
箱庭とうに息詰まり
ここからわたしの旅立ち
聞いて! 聴いて! 呼んで!

突き抜けた 曖昧な自分 やっと 声に出せるんだ
あぁ ただただ 花ひらく翅を照らす
「わたし、真昼の蝶々。」

_______________________
前verに平仮名があります。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

真昼の蝶々

「退化は進化の延長線」みたいな歌詞。
「年頃の子の揺れ動く様は、さなぎと成体を行ったり来たりする奇妙な蝶々のように思えます。飛び立とうとするかと思えば、次の瞬間には閉じこもる。でもそれは全て進化のために必要なことなのでしょう。」
そういうのを丸めて詰め込んでみた。解説が長くなって申し訳ないです。

みっちぇるさんのカッコいい曲(http://piapro.jp/t/xODi)に応募させて頂きました。

閲覧数:75

投稿日:2011/02/09 21:28:48

文字数:618文字

カテゴリ:歌詞

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