とても仲の良い双子がおりました。
なにをする時もいつも一緒で、同じ服を着て、同じ髪型。見た目では、見分けがつきません。


でも、1人はとてもおっちょこちょいで、よく転んだり、泣いたり。
もう1人は言葉荒く、粗野ですぐ回りにあたります。

だから、見た目でわからなくても、口を開けばすぐにわかりました。

泣き虫ピーターと、わがままスナッブル。
そんな性格の違う二人でしたが、スナッブルはいつもピーターを守り、ピーターはどんなときもスナッブルを頼りにしておりました。


そんなある日、落雷の火事で屋敷が燃えてしまいました。

仲良し双子だけが取り残され、誰も助けに行けません。


最初は、双子の必死な叫び声が聞こえていましたが、次第に炎でかき消され、聞こえなくなりました。
先に逃げ延びた人は、悲痛な思いに胸が締め付けられた頃、屋敷の裏手から、双子の1人が出てきました。
皆はすぐに駆け寄り、わんわん嬉し泣きをしました。

ところで、
「お前はどっち?」
ある人が問いました。
「スナッブル!」
答えたその名に、周りはすぐに悟りました。
スナッブルは泣き虫ピーターを捨てて逃げてきたんだって。




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ライセンス

  • 非営利目的に限ります

双子(1)

設定提供です。この設定を生かせる方はよろしくお願いします。

閲覧数:119

投稿日:2009/06/01 03:20:39

文字数:519文字

カテゴリ:小説

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