とても仲の良い双子がおりました。
なにをする時もいつも一緒で、同じ服を着て、同じ髪型。見た目では、見分けがつきません。
でも、1人はとてもおっちょこちょいで、よく転んだり、泣いたり。
もう1人は言葉荒く、粗野ですぐ回りにあたります。
だから、見た目でわからなくても、口を開けばすぐにわかりました。
泣き虫ピーターと、わがままスナッブル。
そんな性格の違う二人でしたが、スナッブルはいつもピーターを守り、ピーターはどんなときもスナッブルを頼りにしておりました。
そんなある日、落雷の火事で屋敷が燃えてしまいました。
仲良し双子だけが取り残され、誰も助けに行けません。
最初は、双子の必死な叫び声が聞こえていましたが、次第に炎でかき消され、聞こえなくなりました。
先に逃げ延びた人は、悲痛な思いに胸が締め付けられた頃、屋敷の裏手から、双子の1人が出てきました。
皆はすぐに駆け寄り、わんわん嬉し泣きをしました。
ところで、
「お前はどっち?」
ある人が問いました。
「スナッブル!」
答えたその名に、周りはすぐに悟りました。
スナッブルは泣き虫ピーターを捨てて逃げてきたんだって。
----------------
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想