貴方は罪人。幾重にも吐いてきた嘘は消せない。

わたし、永久に願い続けていられる。

貴方のそのキズアトを見るたびに、心が痛いから。


踊れ、舞え、涙零しながら。

もう、自分の意思では動けない。

赤い靴に惑わされているの―――嘘の代償として。


静かに深けていく宵。籠の鳥も外へ飛び出したがる。

狂乱の言の葉を綴り紡げば、貴方、来てくれる気がして。


廻る、廻る。時計の秒針、運命の歯車。

目覚めよ。不可思議の世に彷徨い続ける少女。

揃えたスートに、幸せは宿るの?


純白の羽の様な心。尚更、黒で塗り潰したくなる。

舞踏の城に居る姫と王子は、二人、似ている気がして。


仄霞むように明ける夜。占う現実(いま)なんて無意味なだけ。

濡れた瞼を開くの。貴方、今日も出逢うため。


わたしも罪人。騙し偽りの過去は忘れない。

貴方、記憶に刻み込んでおいて。

わたしのこの罪を知るだけでは、足りないから。

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夜の夢、狂乱の現。

なんか前に書いた『忘却ノカナタ』に似てるような、違うような…?

閲覧数:97

投稿日:2010/06/12 12:13:50

文字数:412文字

カテゴリ:小説

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