母は、一年前からある病気に苦しめられていた。それは未知の病気だった。
不治の、謎の、絶望の病。
母が死ぬのは時間の問題だと思っていたが…
「何だ?今頃捨てられるのが怖くなったか?」
「いっそ殺せばいいんじゃないのか?」
その言葉に、リンの顔は青ざめる。
「嫌…レン……殺さないで!!!レンを殺さないで!!!!!嫌ぁぁぁぁぁ!!??」
―リンが、泣いていた。叫んでいた。
だがそれは何故だ?何故リンは泣いている?
その答えは簡単だった。
僕が、殺されそうになったからだ。だから…
「リンを、泣かせるなぁ!!!!!」
僕は大人達の手を振り払い、リンの元に駆けた。そしてリンを抱きしめ、囁く。
「リン、僕は離れていても絶対に守るから…それで、いつか絶対戻ってくるから。約束、したでしょ?」
「レン……」
それで僕とリンはあっさり離れ離れ。
僕は国外に捨てられ、リンはいつも通りの生活に戻る。
そして、4年後、父が死んだ後、リンは国の頂点に君臨したと、
僕は風の噂で聞いた。
見慣れた、大きな扉。所々に装飾が施されている。
「…」
そして、扉を開け、中へと入る。そこには、生前母が座っていた玉座があった。そして、その玉座に座っているのは――
「……誰?入っていいと、言った覚えは無いわよ?」
「…」
彼女の声は、あまりにも変わっていた。
時間が経つにつれ変わったとか、そんな優しいものじゃない。
感情が、凍りついていた。
「どこの住人かしら?顔を見せなさい。フードが邪魔よ。」
「……」
なら、僕は。
「『リン、僕は離れていても絶対に守るから…それで、いつか絶対戻ってくるから。約束、したでしょ?』」
その氷を、溶かしてみせよう。
見ると、リンの頬に涙がつたっていた。そして、
「レン……レンッッッ!!!!!」
リンは駆け出し、僕に抱きつく。まるで、あの時の僕の様だった。
「召使が遅れるとは、王女様のお怒りに触れちゃったかな?」
それに、リンは泣きながら微笑んだ。
君は王女、僕は召使。
運命分かつ、哀れな双子。
例え世界の全てが君の敵に回っても、僕が君を守るから。
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だから、君はそこで笑ってて。
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