「うん、これでよし」
凛(リン)が釜戸に大量のブリオッシュを入れる。
それを見つめながら、白(ハク)は聞く。
「凛、ずっと思ってたんだけど…」
「何ー?」
焼けていくブリオッシュを見つめながら凛は答える。
白は続けた。
「何で、ブリオッシュを作るの?お菓子なら他にもたくさんあるのに………」
それに凛はこちら、ではなく、上を向く。まるで、天を向いているみたいに白は思えた。そして、少しだけ哀しげな顔で笑いながら、
「だって………ブリオッシュは、弟がよく…」
そこで凛ははっとした表情になり、下を向き、また上を向いて、最期にこちらを向き、だがまた釜戸の中のブリオッシュを見つめなおし、言う。
「えーっと、あ、もう焼きあが、ら、ないけど、ほら、先に使った道具片付けようよ!」
「………クスッ」
「!!」
それに凛の顔が真っ赤にそまったのがわかった。
「も、もう!!」
白はあはは、と笑い、用具を片付け始める。そして、少し砂浜を見つめ、昨日の事を思い出す。
もう見えないけど、
あの時、あの浜辺で、確かに。
一瞬見えた幻覚――
あの少年はいったい、
誰だったのかしら?
そこで、釜戸を見つめる彼女の横に、もう1人見えた気がした。
END
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