~5年くらい前のクリプトン家~
メイコ
「ミクー。そろそろリンとレン迎えに行ってあげてー」
ミク
「はーい♪」
(ついに私にも妹と弟ができるのかあ・・・どんな子なんだろ、楽しみだな!私、優しいお姉ちゃんになってみせるからね!)
~待ち合わせ場所~
ミク
「あ、あの子たちだ!おーい、リンちゃんレンくーん!!(ぶんぶん)」
レン
「ウェーイ! ミグヤァーナザン!!」
ミク
「えっ」
リン
「はちめまちて!」
ミク
「はっ、はじめまして・・・(どうしよう、この子達かつぜつ悪いのかな・・・?)」
レン
「オンドゥルミグヤァーナザーンウェーイ!!」
リン
「あたちたち、ミクさんに会えるのすっごくたのちみにちてたんです!!」
ミク
「そ、そうなんだ。あはは、これから私がお姉さんだから、・・・よ、よろしくね?」
(き、きっと気のせいだよね。VOCALOIDはまだまだ研究段階だし、これから良くなっていく・・・よね?)
レン
「ウェー、イヴァダラドースンデス?」
ミク
「えっ」
リン
「とりあえずちばらく街の中でもうろつきます?」
ミク
「そっ、そうだね?」
(どうしよう・・・会話が成立しない・・・っ!な、なんとかしないと・・・)
「それも良いけど、一旦カラオケでも行かない?二人の歌声、ちょっとだけ聞いてみたいなー、なんて」
(そうだ!VOCALOIDなんだし、歌い始めたらちゃんと歌えるよね!)
リン
「やったー!じつはあたちも歌いたくてうずうずちてたんです!」
ミク
「お、おっけー!じゃあ今かられっつごー!」
レン
「ウェーイウェーイウェーイ!!」
~カラオケ~
リン
「とかちつくちてー!とかちつくちてー!」
レン
「タカラミツルギー! クォクォルォニユウギー!!」
ミク
(帰りたい・・・)
リン
「どーでちた?あたちたちの歌?」
ミク
「そ、そうだねえ・・・かつ、」
(はっ、かつぜつが悪いなんて、そんな事直球で言ったらかわいそうだしなあ・・・どうしよう?)
レン
「カツー?」
ミク
「か、かっ、かかか・・・」
(どうしようどうしよう、なんとか傷つけない表現をしないと・・・!!)
リン
「か?なんです?」
ミク
「かつぜつが悪い」
(私のバカーーーーー!!)
リン
「えっ」
レン
「ウゾダドンドコドーン!!」
ミク
「まずあなた何?それどこの星の言葉?何星人なの?しぬの?」
(あたし何言ってんのー!?)
レン
「オデノプライドハボドボドダバァ・・・」
ミク
「それからあなた、さ行が全く言えてないわよ。『シャア少佐そうしやしょう』って30回言ってみて」
(えーい!こうなったら勢いに任せるしかない!!)
リン
「し、チャアソウチ・・・いたっ!」
ミク
「のっけから言えてないわよ!何あんた、やる気あんの!?それでもVOCALOIDなの!?」
(ああああ・・・『優しいお姉さん』のイメージが・・・私の理想がぁ・・・)
リン
「す、すみまちぇん・・・」
ミク
「はーぁっ、なんだかとっても裏切られた気分だわ・・・(チラッチラッ)」
リン&レン
「「本当に裏切ったんですか!?」」
ミク
「そぉこぉはぁなぁまぁれぇよぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
【SS】初期のリンレンってこんな感じだったよね
どうも。Arcです。
ほっほっほ。今から5年ほど前の話になるかの。かっこいい曲を見事に歌いこなすリンたんレンきゅんも、昔は「とかちロイド」って呼ばれてた時代があったんじゃよ。あの時は混沌としながらも何もかもが目新しい時代じゃった。おっといかん、老人の昔話はこの辺りにしておこうかのう。
覚えておいて欲しいのは、人間もボーカロイドもはじめからすべてができるという訳ではない、という事じゃ。
今は滑舌が悪くても、鼻声でも、いつか必ず夢に向かって羽ばたけるものじゃ。忘れんでくれよ、おじいさんとの約束じゃぞ。
※某王子は出てきません。
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