オーシンツクが運ぶ残暑と踏みしめる町と渇望
眩しいほど疎ましくて俯いた先には君がいた、嗚呼
アスファルトの上 揺蕩っている暗がりの君が
集合住宅の壁を伝って近づいてきたんだ
無表情な昼の黙にニヤリとした影が問うた
「覚悟はあんのか。」って
夏が過ぎ去っていく
大人になっていくんだ
数えた掌の大きさに目が眩んでも
影は伸び出していく
大人になっていたんだ
嗤い声がする 影猫の住む町
赤く爛れてきた斜陽と沸き立った焦燥で
憧れと焦がれたタイヤが廻って幹線道路へ消えた、嗚呼
夏が過ぎ去っていく
大人になっていくんだ
繋がる影が放物線描いて標になれば
夏と消え去っていく
白昼夢の続きを辿っていこうぜ
まだ歩けるだろ?
夏が過ぎ去っても
大人になっちまっても
掲げた掌を力強く握りしめてさ
進んでいかなきゃな
痛みも知っていくんだ
欠伸が聞こえる 影猫の住む町
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