かつて、この宇宙の片隅で愛を唱えた者がいた
人々がまだ愛を識らなかったころ
滑稽さについてただ話し合うだけの日々
冷たい意図に胸を傷めた
賢者にもならず、聖人にもならない
そんな彼を群集は嘲笑った
天使は尋ねる、それほどまでに苦しみ抜き、棘をいなそうとするのですか
あなたの悲しみは遠い国の海よりも深い
彼は応えた
私は私を知らないからだ
風よ、私の代わりに泣いておくれ
水よ、私の怒りの為に猛り
私の足元をすくってくれないか
そうすれば私は行くべき処へ流れ着くだろう
古く死に絶えた蔦で覆われたこの世界
その果てに見つけた錆び付いた扉
僕はその鍵すら持たないけど
望むなら変革の剣<sword of words>で切り裂いてみせよう
その向こうには僕は行くことは出来ないけど
かつて世界の片隅で悲しみを歌う者がいた
人々がまだ愛をしらなかったころ
孤独について嘆くばかりの日々
それ故に身を寄せ合うことをおぼえた
脆く罅割れた銅の翼で落ちた魂
旅の果てに見えたのは孤独だけなのか
僕はその答えすら持たないけど
望むなら終わらない愛を書き連ねよう
僕はその向こうにもいけなかったけど
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木のひこ
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