-サーバンツ(グレーテル)side-



ここはEVILS FOREST。
「ガレリアン=マーロンの遺産が隠されている」という噂で有名な森。
そして私の役目は、その遺産目当てでやってきた哀れな訪問者を、偉大な主のために
美味しく調理すること。
それを、頭の悪いヘンゼルと一緒にやっている。


私たちは今、とある二つの墓の前にいる。
(この墓は、ウザイ女曰く、原罪者とその夫の墓なんだそうだ。)
ちょっとしたお参り(私にとってのお参り=墓をもっと汚す)を終わらしたあと、
偉大な主の元へ行く。
しかし、そこには主はいなかった。代わりに、ウザイ女がいたが。


ウザイ女──『時の魔導師』が私たちに気づくと、こっちに近づいてきた。


「貴方たち、『墓場の主』はいないのかしら?彼女に伝えたいことがあるんだけど」
「ハイ、知りまs──」
「知るわけないじゃない。私たちだって今帰ってきたばかりなのに」


ヘンゼルの言葉を遮って、「さっさと帰れ」オーラをぷんぷん出させる。
しかし、彼女はひるむことなかった。


「そう。それなら、彼女が帰っていたらこう伝えてくれないかしら?
『冥界の主』を探せとね──・・・」


彼女はそう言って、嗤いながら去っていった。



数分の沈黙のあと、ヘンゼルが口を開く。


「ねぇ、なんで『冥界の主』を探さなきゃいけないの?」
「知るわけないじゃない。どうせ裁判だの会議だのでそうなったんでしょ」
「ふーん・・・。意味わからないや」
「アンタ、本当に頭悪いわね。簡単すぎるわよ。だって、『冥界の主』は右か左かにいるんだから」
「あと、下もだよね!」
しかし、ヘンゼルが指したのは、上だった。
「・・・馬鹿か、そっちは上よ」


頭が悪すぎるヘンゼルにきついツッコミをいれ、私たちは仕事に戻る。
もちろん、仕事の方からやってきたのだ。あーあ、ダラダラやろうと思っていたのにな。


私は一つ溜息をつくと同時に、心の奥から笑いがこみ上げてくる。
ヘンゼルも同じのようだ。


それじゃあ、始めようか。
こいつらを──偉大な主が喰うのに、相応しい料理に。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【茶番カプリシオ】2、サーバンツの役目【自己解釈】

茶番カプリシオ第2話です。
性格が悪いメイド視点です。(多分出てるよね?性格が悪いところ・・・)

[参考にしたもの]
・prelude to forest
http://the-heavenly-yard.net/vomas11.html

・EVILS FOREST master of the graveyard
http://the-heavenly-yard.net/vomas12.html


[偉大なる本家様]
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16017826

閲覧数:1,467

投稿日:2011/12/29 14:32:36

文字数:894文字

カテゴリ:小説

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