柚鷹（ゆたか）

「私の声届いてますか？」
ガラス越し　君の瞳　
すれ違う視線は
いくら見つめても
交わること無くて
手のひらの　ぬくもりは
感じることできず
いくら伸ばしても
届かないのでしょう
声の限り叫ぶ　君のための歌を...

教室にこだまする声
嬉しそうに笑う顔
寂しくなんか無いよ
いつだって会えるから
笑顔でさよなら
また会う日まで
辛くても頑張るから
今度会うときも
笑顔で会おう
それぞれの選んだ道...

「全ては儚く散り行く・・・」
遠くに聞こえる鐘の音(ね)
荘厳なその哀しき響きは
辺りを震わせ消えゆく
そこに咲く花の色は
やがて来る終わりを告げる
どんなモノもいずれは滅び
終焉を迎える
春の夜の夢のように
栄華をきわめても...

私は痛めつける　何度だって
「死んでしまえ」と首を絞める
生きたいという想いだけが
私を突き動かす
それ故に刃を向ける
死と生の境界線
どちらの欲が勝るか　ただそれだけ
「まだ死ねない」と生を選ぶ
刃は私に向けられる
怖くはない　私なら跳ね返せる...

さぁさ　太鼓を打ち鳴らし
雷神様の御出ましだ
天地に響く雷(いかづち)を
落として舞うよ　軽やかに
眩しく光る稲妻と
雷鳴あたりに轟けば
赤子は泣いて隠れだす
悲鳴を上げて隠れだす
これぞ我が雷神の力ぞ
目に焼きつけよ...

ふわり舞い落ちた白い涙
温かな心に触れて融けゆく

季節うつろい
風が冷たくなった頃
立ち尽くす私
となりの貴方はどこへいったの？

哀しみが溶けだし...

陰から　見ています　貴方の横顔
いつでも　麗しき瞳に　影宿す(し？)
優しく　笑う顔　私に向けて欲しい
貴方が　抱えてるものはなんですか？
許されぬ恋とは　分かってます
けど　この想い　止まずただ積もりゆく
「ただ傍でお仕えするのが嬉しくもあり、苦しくもあり
それでも私は幸せでした。
決して結ばれる...

「レン元気にしていたか？」
そう言って青い髪の青年は少年に近づいてきた。
近くで見るとその顔立ちは端整で、優しそうな青い目をしていた。
髪は少年より短く、ショートカット。身体つきもしっかりしている。
均整のとれた体だ。
やはりこの青年は自分のことを知っているらしい。
しかし、記憶のない自分には全く持...

ピチャン・・・ピチャン・・・
どこかから水の音がする。それに埃のにおい。
ここはどこだ。いったい僕はどこにいるのだろう。
体中が痛い。地面の上なのか。
それに冷たくて寒い。このままではダメだ。
僕にはまだやることがある。
少年はゆっくりと眼を開いた。
ここはどうやら教会らしい。しかし、綺麗な教会では...

少しずつ大人に近づく
この一瞬が　手のひらから零れ落ちる
雫のように輝いて　儚く散りゆく
大人になるってことは
今を捨てていくことなのかな？
そんなのが大人なら　僕は望まない
なにもかも不完全な僕ら
ただがむしゃらにもがくけど
上手く行かなくて　
すべて投げ出して 逃げたくなる...

まわる回る　かざぐるま　夜店の　明かり
少し紅く　頬染めて　手を引かれ　歩きゆく
かすかに酔い　背中に添う　漂い来る　けむりの香り
無邪気に呼ぶ　子供の声　高まりゆく　熱気
囃子の　笛の音　誘われ　出でて
踊れや　踊れよ　一夜の　夢よ
やぐらの　太鼓が　あたりに　響く
夜空(よるそら)　一面　火花を...