作品一覧
その他
オンガク
――桜の咲く季節になると思い出す。 その日は、空が一段と青くて、雲なんて一つもなかった。 堤防沿いの桜並木は、一面、満開の桜。 青に映えた桜がすごく綺麗で。 昼間だからか人のそんなにいない道を、桜を見上げて歩いていた。 ふわり、と、風のように何かが横ぎった。 桜の花びらが舞うようなやわらかい、何か。...
薄花桜に囚われたままの愛と哀と藍と