
書いたり描いたり歌ったり。 作るのが好きなFtX。 歌詞をご使用の際にはお声がけ下さい。 無断転載、無断使用、無断での改変はご遠慮下さい。 Twitter:@homme_0810
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君の首に手を掛けた時
君は笑っていたね
可愛くて憎らしくて愛しい
僕の希死念慮
呼吸をする肋骨の隙間から零れた
弱音と嘘の残滓を縫い繕う作業も
今ここに残して
P.S.
頬を伝う流星
飛び散り煌めいて...P.W.P.S
-
住み慣れた家を捨て
当て所なく逃げ行く人の
背に負われた子の悲しい目を
僕は忘れない
もうたくさんだ たくさんだよ
この悲しい瞳が いつか
静かな光とならんことを
祈る
どうか
-
君がいてくれてよかった
If,今ここに
僕がいるのは
If,今ここに
君がいるから
If,君の眼が
見つめる世界は
If,僕の眼を
通してキラキラ
光るよ...IF
-
A
呼吸の仕方を知らないまま
この世界に生まれ落ちてしまった
人と音と悪意で出来た濁流に
なす術なく溺れている
B
言葉が痛みになり
僕の鱗を剥がして
深く切り裂いていく
問いは泡沫と消える...鰓呼吸
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君の目は
僕を見ていない
僕の後ろの
誰かを見ていた
わかりきっていたけど
都合の良い大脳は
希望を勝手に増やして
甘さに浸っていた
「ごめんね」
という君の顔を...アナタ症候群
-
屋上から
飛び降りる
夢を見た
それは昔
君が見た夢
飛び込んだ地面は
想像よりも優しく
破裂する顔に
慈愛の口付けが
滲みる...アポカリプティック・ノイズ
-
時計の針が
いつの間にか
何周してたか
忘れてしまった
気がついたら
朝昼晩
今がいつなのか
わからなくなった
でも僕は
知っている...線路の音で傷が開く
-
A
この世界に
悪はないと
思うようにして
幾星霜
A
正義同士が
ぶつかり合い
互いにとっての
「悪」になる...止まない雨
-
冷たい空気の中
誰か僕の脳を使って
世界を見ている
僕を動かしている
晴れた雨空の向こうがわ
不気味な警報が聞こえた
静かに確かに
微かに確かに
眠りに落ちた宇宙の
傷をなぞってく彗星...サイレン
-
A
蝉の代わりと
泣き出した虫達
滲む汗をさらう
風が少し冷たい
A
短くなった夕陽
泣き疲れた空色
ひと足毎近付く
夜が少し冷たい...十月の向日葵
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粘菌達の家
頭下げぺこり 腰折ってお辞儀
ふらつくあんよを右、左
回らないおつむで尊敬語(謙譲語)
よく出来ましたと言う人はいない
毎日毎日律儀に暮らし
涙も枯れて疲れ果てたら
おいでよ おいで
ぼくらの
粘菌 粘菌...粘菌達の家
-
夜明け前ホームの端
ドアの向こうは階段
ゲートの先に渦巻く人混み
揺れ出した地軸の端
境界線の無い世界で
僕は今 生き抜こうとしている
世界よ
人々よ
お前は
そろそろいこうか...バイバイ
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べたつく夏の息が
身体を湿らせる
物憂げに見遣る視線の
先に光る雷鳴
石の塀の上で
猫が溶けている
雨の気配に誘われて
蝸牛が這い出す
落ちる日の早さが焦りにも似て
喉から迫り出す嬌声を堪え...溽暑
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何勝手に期待して
何勝手に傷付いてんのさ
そんなんばっかり見てないで、さ
僕にあいにきてよ
何勝手に期待して
何勝手に自爆してんのさ
そんなんばっかりしてないで、さ
僕にあいにきてよ
姿も声も君の思うまま
理想の僕がここにいる...妄想恋愛
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焼けつく様な蟬時雨
目の先に揺れる逃げ水
私はだらしなく生きながら
風になった無数のあなたを思う
微かに聞こえる虫の声
終わった花火の煙の匂い
私は溜息を吐きながら
星になった無数のあなたを思う
その時希望はあったのでしょうか
その時笑顔はあったのでしょうか...(長編詩)今日という日に
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螺鈿の園にて君を待つ
淡墨(うすずみ)の曇天 燕(つばめ)の尾
温い(ぬるい)風が纏わりついて
僕は空に筆を浸して
君への文(ふみ)をしたためている
お元気ですか
君の面影が
もう随分と薄れてしまった
珊瑚の爪も
粉色の頬も...螺鈿の園